オートバイにつるんで乗って、集団でバカ騒ぎしたり、ドヤ顔してのさばるやつらが気味悪くて
なんだか感じのわるいやつらばかりだなオートバイ乗りは、なんて思ってた。
大きな音を立てて山の中を走ったり
ものすごいスピードで迫ってきてところかまわず追い越していったり
地べたに座り込んでげたげたバカ笑いしたり
何十台もオートバイを束ねて国道や高速を練り歩いたり
空気読めないとは、オートバイ集団走行と書くんだろうな。
あー、でもボクもその一味と同じオートバイ乗りなのかと思ったら
急にオートバイに乗ることが嫌になって、大好きだったはずのオートバイたちまで売り払ってしまった
でもあれから3年
あたりまえのことだけど、ひとのことなんてホントにどうでもよくなって
ひとのこと気にして、考えてることがホントにバカらしくて
気がつけば、もう一度オートバイを手元に置きたくなった
もちろんこの3年の間まったく2輪の乗り物に乗ってなかったわけではなく
カブの110に乗ってたんだけど……
きびきび走らせることに夢中になっちゃう性格のエンジンだし
そもそも「磨けない」んだよな、あいつ
季節の空気を切り裂きながら
ピストンの、クランクの、存在を感じながら
スロットをとおして内燃機械の精密さを感じながら
オートバイと会話しながら走っていたい
大きいやつはそれだけで尊大だし
外車も主張しすぎる
小さくて主張しないやつがいい
そうやって何か月もかかって出会ったのがこの「新しき相棒」
5年位前に「大平峠」に響き渡るエキゾーストにしびれた
こんなにちっこいのに立派な存在感

それはこいつがオートバイそのものだから、だと思う