今夜は静かな音楽とお酒でしっとりしたい気分の私です。

と言いながらも最近お風呂タイムは必ずロックなんだな。

今日はこの間CYCLONEで流れていたからMR.BIGを聴きたい。笑






さて今日の「Connect to my EXIST†TRACE」は、

だいぶ前にも一度紹介したけど、この本を。

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『夜と霧』
ヴィクトール・E・フランクリン



心理学者である著者がナチスドイツのホロコースト、強制収容所を体験したノンフィクション。

壮大な物語でもなく、何が悪だこれが善だと決めつけるでもなく、

ただただ、何百万人の収容者が受けた痛みとリアルな反応が綴られています。

この本は出会ってから何年経っても私の不動の一番。






そもそも私がホロコースト、特に強制収容所に興味を持ち出したのは世界史の授業で。

私が好きなPIERROTというバンドにヒトラーを題材にした楽曲があって、

ホロコーストを学んだ時に「あ、あの曲の」と興味を持った。

そこからは曲がどうって事以上に、その事実を知りたくて本の虫になった。

図書館で関連の本を片っ端から読みあさった。

でもなんでこんなに気になるんだ?

大人になってからも強制収容所の事は常に気になって気になって。

でも本を読んでも、映画を見ても、今ひとつ気持ちは晴れない。

そしてついに出会ったのがこの本。



ホロコーストを語る上で代表的な本ではあったけれど、ちょっと難しそうかなと敬遠していた。

でもこの新訳版の帯を見たら、「あ、これだ、探していたもの」って気付いた。

私が気になり続けていたのは、強制収容所に関わった全ての人の「心理」だ。

「気持ち」じゃなくてもっと深いところ。





この本と、これまた過去に紹介した『アウシュヴィッツ収容所』という、

まさにアウシュヴィッツ収容所の所長だったルドルフ・ヘスという人物の手記を合わせて読むと、

両サイドからの心理模様が見えて来る。

負の遺産とまで呼ばれる大量虐殺施設を運営していた人は、普通の人で、妻子がいて、決して狂人なんかじゃなかった。

国が、状況が、仕事をこなすように虐殺をする人間を生み出してしまう。

(でもこっちの本はだいぶ嘘情報も満載だけどね!)

改訂完全版の方はまだ読んでいないから、改めてまた手にしてみよう。






その上でまた『夜と霧』に戻ってくると、

フランクル博士の言葉が重たく響く。

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人間とは、ガス室を発明した存在だ。
しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。




どんな優しい人も心を閉ざし流れに身を任せるだけで、史上最悪の悪魔にもなれる。

でも私はその逆を祈る。

どんなに絶望の中にあっても、その心を閉ざさなければ、立ち上がる事をやめなければ、

必ずきっと、その道はひらけるんだって。






私の趣味ではあるけど、フランクル博士の書いた言葉達は、

今この現代を漂う私達をも肯定してくれる、優しさの本だと思うんだ。

つかれたあなたにも、刺さったらいいなと思う。