羊飼いと日本人 日本人と未来人 | 普遍と未知の楽園 ~地球で遊ぼう~

普遍と未知の楽園 ~地球で遊ぼう~

地球にはまだ誰にも知られていない、面白い物がたくさんある。
目の前の世界に見える景色は、視点を変えるだけで全く違う世界が見えてくる。
そこに渦巻く見えない法則、神秘、謎。
まさにこの星は普遍と未知の楽園である。
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日本から海を渡り、遠く離れた大陸のとある平原に、羊を飼って暮らす民族が暮らしていました。


彼らの生活を支える大きな柱となっているのが羊たちの存在です。たくさんの羊とともに移住を繰り返しながら、羊の肉を中心にして生活をしています。


日本から旅行でこの民族を訪れた日本人がいました。彼は一人で世界を旅行するのが趣味で、普段は一生懸命頑張ってお金を貯めて、お金がたまったら長期休暇をもらい、世界各地へ旅行するのが楽しみでした。


今回は縁あってその民族たちに一晩ご馳走をいただくことになりました。彼らはとても陽気で、民族楽器と共に踊りを披露してくれました。


現地の特製のご馳走にしばらく舌鼓みを打っていると、彼らからこんな質問をされました。


「あなたの国には、一体どれだけの羊がいるんですか?」


それを聞いた日本人はこう答えました。

「日本には羊はほとんどいません。」


彼らはとても驚いて目を丸めて、そして心配そうにこう言いました。

「まぁ!それは大変!!生活は大丈夫なの?・・・」


彼らにとって、羊がいるか居ないかは食生活にとても大きな意味合いを持っており、彼らにとって羊がいないということはすなわち、死を意味するのです。



日本人は「世界にはこんな暮らしをしてる人がいるんだな~」と思いながら、新鮮な世界に触れたことに満足して自分の国へ帰っていきました。




旅先から帰ってきた日本人は、いつも通りの仕事漬けの毎日を送っていました。勤めてる会社は最近は不況が続き、最近は会社の業績も落ち込んでいました。


ある日、そんな彼のもとに未来からタイムマシーンに乗ってやってきた未来人と出会いました。未来人は時間旅行を楽しんでるようです。未来人は自分の生まれた年はどんな社会だったのか気になって28年前にタイムスリップしてきました。



そろそろ転職を考えていた日本人は、これから先まだ生き残ってる会社はどんな会社だろうと思い、未来人に質問をしました。

「あなたは、どんな会社でお仕事をしてるんです?」



すると未来人はこう答えました。

「会社には行ってないね。就職すらしていないよ」



まぁ、確かに背は低いし、見た目からしてまだ二十歳そこそこといった感じだったので、納得した様子でこう言いました。

「ああ、君は学生かね?就職は大変だから今のうちにいっぱい資格を取っておくといいよ」


すると彼はこう言いました。

「今年28歳になります。就職は考えたこともありませんでした。といいますのも、インターネットが発展した僕のいる世界では会社はもう数える程度しかありません。」


「なんと!!」

日本人は驚きました。なぜならその日本人にとって就職先が無いということはすなわち、収入がゼロ。ということを意味しているからです。



28年前の日本の姿を目の当たりにできた未来人はタイムマシンに乗って満足そうに自分のいた時間軸の未来へと帰っていきました。