行政が考える自然感って所詮こんなもの | 今日もまっ晴れ!野生動物写真アルバム

今日もまっ晴れ!野生動物写真アルバム

流行りのSNSを頼りに珍鳥を追うのではなく、一人で探鳥を楽しみながら撮った野生動物写真アルバムです。情報など一切ありませんので御理解のうえ御覧戴ければ幸いです。

 

 シマフクロウが棲むと言う森に或る年 重機が入り、シマフクロウの森に隣接する植林の伐採のためにシマフクロウの森の中に伐採用の作業道が作られてしまいました。

 写真からは想像できにくいかもしれませんが、元々ここは一面笹原に覆われ、その中を小さな沢が流れておりました。森の奥にはシマフクロウが棲んでいたらしく、立ち入らないようにする貼り紙が等間隔で貼られ、重機がエグり取った笹原に出来たカーブの樹木にはバーダーやカメラマンが立ち入らない様に監視カメラも設置されています。

 

 もちろん立ち入りが禁止されているので私は入ったことがなく、この森にシマフクロウが棲んでいるのかどうかを知る由もありませんが、こんなシマフクロウの棲む森に隣接した植林の伐採をするために、そこに棲んでいる野生動物の事は全く無視して、こんな作業道路が敷設され、連日チェーンソーが大きく唸り、切り出した木材を運ぶ大きなトラックがシマフクロウの森を往来していました。

 どうやら此の日本では、どんな動物の命も人間の経済活動の前では全く価値を持たないようです。人間の命に関しては口に出すのも恥ずかしいくらいの美辞麗句で自己陶酔しているんではないかと言うくらいの綺麗ごとを言うくせに、私たち日本人ってウワベだけで情けない民族です。

 

 こちらはまた別の場所ですが、植林されたカラマツ林の端に生えていたカラマツの枝にシマフクロウが止まっているところに偶然出会ったことがあります。

 このカラマツ林も何年か前に重機が入り、シマフクロウが止まっていた此のカラマツも含めて伐採されて、私はそれ以降この辺りでシマフクロウの姿を見かけることはなくなりました。

 

 地元の人に聞いた話しでは、山仕事をしている途中で偶然シマフクロウを見つけてしまうと、連絡すれば作業が止まってしまうので、シマフクロウの営巣木は無視して山仕事を続ける業者もいるとの事です。 埋蔵文化財が見つかった時は、厳しく法律で制限されているのに、動物にはそんな厳しい規定がないところにも人間以外の動物の命を軽視している証しであるようです。

 

 

少し話しは変わりますが

 ヤマセミが飛来するような そんな渓流の河原に散乱するゴミの数々。目を覆いたくなるような惨状です。悲しい事に、これが特別な河川の光景ではなく道東ではよくある渓流の光景です。

 産廃はもちろんのこと、中にはお弁当殻が入ってるコンビニ袋も見受けられます。特にこの河川は過去に密猟者が密漁中にヒグマに襲われると言うヒグマにとって可哀そうな事件があったヒグマの生息地を流れる河川です。

 こうなって来ると「不法投棄はケシカラン!」なんて単純な話しではなくなってきます。ヒグマは食べ物に対して強い執着心を持ちます。 捨てられたレジ袋の中のお弁当殻には、自然界には絶対にない味付けがされた人為的食物が残っていて、一度でもその人為的食物を口にしたヒグマはその味が忘れられず、レジ袋や人間に美味しい味を関連付けて人里に現れる事は確かな事実です。

 レジ袋に食べ物が入っている事を知っている六甲のイノシシが一目散でレジ袋を目がけて襲いに来たり、飼い犬でもレジ袋に執着するのがその良い例です。

 

 「人馴れしたクマ」「アーバン・ベアー」と言う言葉をよく耳にしますが、それは違っているように思います。クマたちの行動が変わったのは、変化が著しい人間側の生活に適応しようとしているだけの事だと私は思っています。

 ポイ捨てされたレジ袋でも、農作物でも、家畜でも、そんな人為食物を野生動物が口にすれば、それは全て餌付けと言うことに他なりません。「クマの生息地では生ごみなどクマが口にするような事には気を付けないといけない」と幾ら正論を言っても、ゴミを平気で捨てるような人間は、それは頭の中では分かってても人間以外のことは何も思っていないので、ヒトの見ていない所では車の中に溜まったゴミを平気で山の中に捨てます。これは育ちの問題なのでどうする事も出来ないのですが、道端にまとまったゴミを捨てられている光景を見るとウンザリしてしまいます。

 こんな状況で人為的食物の味が忘れられず人里に出て来たヒグマを「殺してしまえ!」と言うのですから私たち日本人ってどれだけ野蛮人なの?と思わずにはいられません。

 

 人里に現れたクマたちを無差別に殺していく役人へ苦情を言う人たちに向かって、公共の電波のもとで「そう言うヤツらはクマにでも食べられてしまえ!」なんて低俗極まりない発言をした宮〇〇彦氏の事は何の問題にもならないし、こんな人物が内閣官房参与だと言うのですから日本って民度の低い国なんですね。ほんと情けないです。

 

 結局のところ何が言いたいのかと言いますと、そこにカワセミのような綺麗な野鳥が居るから河川改修のような環境破壊はダメと言うのではなく、人間以外の そこに棲む動物のことも思いやりを持って考えて改修工事を進めてくれるような、そんな国になって欲しいものですね。