今年の7月中旬にカムイエクウチカウシ山で登山者がヒグマに襲われたと言うニースを見て大変驚きました。
カムイエクウチカウシ山とは今から50年ほど前に、福岡大学のワンゲル同好会5名のメンバーが登山中にヒグマに襲われ、3名が命を落とした日本山岳史上最悪のクマ事故が起きた山に他ならないからです。
今回ヒグマに遭遇して、ヒグマに腕を引っかかれたと言う男性登山者は、ヒグマに出会った時に「クマに向かって棒切れを振り回した」とインタビューに平然として応えている様子を見て、50年前に3名もの犠牲を出したヒグマに遭遇した際の教訓が何も生かされていない事が残念でなりません。男性登山者は黙って棒切れを振り回していたとは考え難く、おそらく何らかの声を発していた筈です。
クマに対して棒を振り回すと言うのは、クマを挑発している以外の何モノでもありません。その際に奇声を発っすると言う事は、猟で獲物を引き寄せる際に使われるプレデターコールそのもので、ヒグマを興奮させるのに充分な自殺行為に等しいのです。
幾ら人間側に落ち度があっても悪いのはクマであって、問答無用でクマは射ち殺されてしまいます。恐怖でブルブルと震えているところを、時に野次馬の笑い声さえ聞こえるような状況のなかで、銃口を向けられ残酷極まりない殺され方をされるのです。
ヒトが注意を払えばクマ事故は防ぐことができる!と言う事実を周知させないといけないにも係わらず、今の日本では、ヒト側に落ち度や問題行動があったとしても表に出さない慣例があるので、クマ被害の実態が解明されないと言うのが実状です。“怖い!”怖い!”と煽るだけで現実を知らさない、クマに対峙したときの対処法を広めようとしないマスメディアにも大きな問題があります。
今年起きたクマ事故と同じようなことを野犬が起こした場合、たぶん報道されることはないでしょう。(道東の私の友人も昨年に愛犬が野良犬に噛み殺された事件が起きましたが話題にも登りませんでした。)
当該事故のあった10日ほどあとにも同じような場所でヒグマによる事故があったと聞きます。おそらく同一個体と思われ、間違いなく此のヒグマは殺されるでしょう。南無、南無
野生動物はヒトのことを十分に学んでいるのに、ヒトは野生動物への配慮が極めて不十分です。ヒトもそろそろ変わらなくてはいけない時期がきているように思います。
