日本のキリスト教系新宗教団体で、イスラエルと深い関係にある。
1 設立者
キリストの幕屋は、1948年に手島郁郎によって設立され、手島はユダヤ教やイスラエルに対する強い関心を持ち、ユダヤ系の思想家や宗教家、イスラエルの要人との交流を深めた。
団体は「原始福音」を掲げ、聖書の根本に立ち返ることを重視し、特に旧約・新約聖書の原文研究を通じてイスラエルの宗教的・文化的意義を強調。
2 イスラエルとの交流
聖地巡礼
キリストの幕屋は定期的にイスラエルへの聖地巡礼を行い、聖書ゆかりの地を訪れ、祈りや信仰の体験を深め、聖書の出来事を現実の場と結びつけ、信仰を強化。
ユダヤ人との関係
団体はユダヤ人と親密な関係を築き、イスラエル在住のユダヤ人との対話や交流を積極的に行っている。
エルサレム在住の人物との対話が公式サイトで紹介されている。
キブツとのつながり
一部の信者がイスラエルのキブツ(農業・生産共同体)でボランティア活動に参加。
3 シオニズムとの関連
キリストの幕屋は、クリスチャン・シオニズム(キリスト教に基づくシオニズム)の代表的グループとみなされることがある。
イスラエルの国家政策を支持する傾向があり、特にイスラエルの建国やユダヤ人の帰還を聖書の預言と関連づけて肯定的に捉えている。
イスラエル支持のデモや集会を日本で開催。イスラエル大使館と連携。
2023年に東京で開催されたイスラエル支援デモでは、イスラエル大使が感謝のスピーチを行ったとされる。
4 物議
一部では、キリストの幕屋のイスラエル支持が過激と見なされ、批判の対象となっている。
ガザ地区への攻撃に使用されるイスラエル軍の砲弾に「祝福のメッセージ」を書く行為が、国際的な批判を浴び、この行為は、日本の評判を損なうとしてパレスチナ大使やイラン系メディアから非難されている。
団体が日本会議や「新しい歴史教科書をつくる会」と関連があると指摘され、歴史修正主義が垣間見える。
5 信仰と文化
キリストの幕屋は、ユダヤ教の伝統に影響を受けた儀式を取り入れており、13歳の信者に対して行われる「バル・ミツワー」(ユダヤ教の成人式に似た儀式)がある。
聖書のヘブライ語や文化的背景を重視し、イスラエルの宗教的意義を信仰の中心に据え、キリスト教の枠を超えた独自の信仰スタイルを構築している。