なぜ、たくさん学んでも満たされないセラピストがいるのか。 | エグゼティシャンアカデミー Osaka

エグゼティシャンアカデミー Osaka

マッサージそして講師歴20年
延べ20,000人もの施術経験を持ち、かつ多数のマッサージ師・セラピストなどを育成してきた真のエキスパート 佐野香織によるセラピスト養成のためのプライベートスクール

セラピストになってから、たくさんの技術を学んできた。

揉みほぐし、オイル、足つぼ、ヘッドマッサージ、アロマ、解剖学、ヒーリング……。

新しい技術を学ぶたびに、
「もっとできるようになりたい」
「もっとお客様を満足させたい」
そう思って、一生懸命勉強してきた。

それなのに。

なぜか、自分の中に残るものが少ない。

できることは増えているはずなのに、
「私はこれができる」と言えるものがない。

そんな感覚を持つセラピストは、決して少なくありません。

私は、それは「学びが足りないから」ではないと思っています。

むしろ、

学んだものを増やすことと、技術が深くなることは、同じではないからです。

技術には、横に広がっていく学びと、
ひとつのものを深く掘っていく学びがあります。

たくさんの技術を知っていることは、もちろん素晴らしいです。

でも、ひとつの技術を繰り返し、
自分の身体で感じ、
自分の手で確かめ、
「なぜそうなるのか」を考え続ける。

そうしていくと、最初は見えなかったものが少しずつ見えてきます。

私は、その「深める」という学びに、
スウェディッシュマッサージはとても適している
と思っています。

なぜなら、スウェディッシュマッサージは、
ごまかしが効かない技術だからです。
(※クラシックスウェディッシュに限ります)


オイルが多ければ、手は滑ります。

ある意味では、技術の細かな違いがオイルが多いことで見えにくくなることがあります。

でも、オイルを必要以上に使わず、
ただ滑らせるのではなく、
自分の身体の重さを伝え、
相手の身体に委ねながら触れていく。

そうすると、

手の置き方。

身体の使い方。

重心。

圧の方向。

速度。

呼吸。

相手の身体を感じる感覚。

そして、自分の中にある「こうしてあげたい」という思考まで。

すべてが、そのまま手に現れます。

ごまかせないからこそ、
ひとつひとつを丁寧に見直すことができる。

そして、ここからが大切なのだと思っています。

技術を深めていくと、
最後には「手技」だけの問題ではなくなってくる。

自分がどんな状態で触れているのか。

どこに意識を置いているのか。

相手を変えようとしていないか。

自分の身体に余計な力が入っていないか。


技術を深めるほど、
自分自身の在り方が問われるようになります。

だから私は、

施術を深めることは、自分自身を深めること

だと思っています。

そして、それこそが技術の基盤なのだと思います。

新しい技術を次々と足していくことではなく、
ひとつの技術を深く掘り下げる。

その過程で、身体の使い方を知り、
思考の置き方を知り、
相手に委ねることを知り、
自分自身の余計な力を抜いていく。

すると、最初は「技術を学んでいる」と思っていたものが、
いつの間にか、自分自身の在り方まで変えていく。

私は、ここに技術の本質があると思っています。

だからもし今、

「もっと何かを学ばなければ」

「もっとできることを増やさなければ」

と思っていて、満たされない状態なのなら。

次に必要なのは、
新しい技術ではないのかもしれません。

今あるものを、もっと深くすること。

そのためには、
ごまかしの効かない環境に身を置いて、
ひとつの技術と、とことん向き合ってみる。

それは、技術を深めるための、
とても確かな近道
だと思っています。

スウェディッシュマッサージを学ぶということは、
新しい技術をひとつ増やすことではありません。

自分の手を、身体を、思考を、そして在り方を、
ひとつずつ磨いていくこと。


その積み重ねが、やがて、

「この人に触れてほしい」

「この人に会いたい」

と思ってもらえる、
その人だけの技術になっていくのだと思います。


KAORI