米雇用統計は事前のADP雇用レポートによる民間部門の雇用者数減少で、ある程度その「悪さ」は織り込まれていたもののやはり米株も大きく下げてしまった。今のところNYダウのトレンドが下向きに転じた兆しはないものの、投資家による米景気の先行きに対する不透明感は大きくなったことは事実だろう。
株は上値が重くなったと言えるかも知れない。ただし、これでFRBはQE3発動をしやすくなったとも言えるので、このまま米株がずるずる下げるとも言い切れない。その意味では日本株にも押し目買いは期待できる。
為替はドル/円が80円割れとなった。当初の投資方針通り80円割れではいったん円売りとし、次の展開を待つべきとの判断は変えない。為替は来週以降の米金利が最大のポイントだが、雇用統計以前に発表されたISM製造業景況指数を見る限り、一方的に米景況感が悪化するとも言い切れず、米金利がさらに一段と低下するとは思い難い。ドル/円の長期MAが78-79円台に集中することも考え合わせると80円割れではいったんドル買い・円売りのポジションを作ることは悪くない判断だ。(この水準でドルが一段安を免れれば株先売りも遠からず収束するのではないか)
日経平均株価はCME終値で9150円まで下げている。日銀の先の金融政策は事前の予想通りで特に円買い・株売りに結びつく材料ではなかったような印象だが、その後の日銀総裁の会見がひどかった。「毎月金融緩和を行うものではない・・」「デフレよりもインフレに対する備えが必要だ・・」云々のコメントは日本株買い・円売りのポジションを取っていたヘッジフアンドを大いに落胆させただろう。日銀による「デフレ克服」の本気度が疑われる内容だからだ。
これ以降、CTAのポジションが短期的ながら円買い・日本株先売りに傾いた。これが日経先物が9150円まで落ち込んだ主因である。
週明けは東京株式市場も安く始まりそうだが、9000円飛び台~9300円付近には為替と同様に長期MAのサポートラインがあり、それが試されことになる。タイムサイクルを考えると先週~今週の時間帯は重要な分岐点であり、ここで踏ん張って流れを変えられるかどうかの重要な岐路に立たされた局面と言える。
日経225ベースですでにPBRは1倍に近い。日経平均株価の9000円割れはよほどの緊急事態でも生じない限り一時的なものではないかというのが個人的な意見である。為替も株もいったん押し目買いに入るのが常道ではないだろうか。