南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島付近で起きた中国船とベトナム船の衝突事件について、中国の国境海洋事務局の説明は国際常識から逸脱するものであることは、どの観点をもってしても明らかであるのだが、それを容認しない中国政府の主張は、この東アジア地域に徒な軍事的緊張を醸成しているとしか言いようがない。
 この事件現場は地理的にも中国当局が排他的経済水域(EEZ)に指定することは、国際感覚に照らし合わせてみても明らかに無理があり、その指定の意図は海洋、海底資源の私物化が目的であることは明らかであり、なおかつ、中国が推進する大中華思想(世界的な規模の中国国家標榜する思想)の実戦でしかあり得ないと思われるからである。

 そして、この事件の背景には、単に海底油田の権益の確保と言う側面だけではなく、中国国内の政治的、社会的な混乱を示す事例であるとする見方も可能であると、筆者は考えている。
 さきの新疆ウイグル自治区のウルムチでの爆破事件やそれにつづく事件は、こうした中国の内政の混乱の象徴でもあると考えるのである。

 こうした中国の国内事情に向けられる中国国民の不満や要求を海外での事件に振り向けることによる、ある意味におけるガス抜きは、どの国家でも行う政策ではあるが、これが国際的な軍事的緊張を煽る結果になることだけは、国際社会としても容認できないところであろう。

 なにはともあれ、この事件によって一気に緊張した東アジア情勢は、これ以上の緊張を招くことのないように当事国の政権には、理性的な判断をお願いしたいものだ。

(<a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/140508/chn14050820260007-n1.htm" target="_blank"><span style="color:#FF0000;">この記事を参照のこと</span></a>)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140508/chn14050820260007-n1.htm

 台湾の「サービス貿易協定」を巡る学生と馬英九総統の対立は、すでに打開策が見出せないまま、混迷の度合いを深めている。
 今後、馬総統が採り得る策は武力による弾圧しかない状態にまで追い込まれているのだが、台湾市民の対応は「サービス貿易協定」の破棄を訴える学生を支持する方向で多くが動いているようだ。
 これに拍車をかけているのが馬政権の学生に対する強硬な対抗措置である。デモ学生を支援する女性国会議員の一人は武装した警察官によって顔面のみならず胸などを殴打されて肋骨を骨折し、瀕死の状態で病院に搬送されたり、路面に並んで横たわる無抵抗の学生に警棒で頭と言わず危険な部位を狙って卑劣な暴行を繰り返しているのが、台湾の現政権の対応なのである。

 こうした実状を目の当たりにする、あるいは報道で真実を知る台湾市民は、学生に同情こそすれ馬総統の政策を支持するとは、とてもじゃないが考えられないことである。
 今後の馬総統の採り得る打開策は、暴力によって学生などの「サービス貿易協定」の締結に反対する一般市民を弾圧するしかないのが、台湾の現状だろう。

 そもそも、この「サービス貿易協定」は台湾にとっては、受け入れがたい条約であるのは間違いなく、しかも、その成立過程に多くの問題があるようなのだ。
 
 台湾市民としては、今後も安心した生活を望むのが難しい状況になっているということであり、このことは台湾ばかりではなく、我が国(日本)の今後にも暗雲となっているのである。

(<a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/140327/chn14032722390011-n1.htm" target="_blank">この記事を参照のこと</a>>

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140327/chn14032722390011-n1.htm

 クリミア共和国のロシア併合など、強いロシアの復活を印象付けた政策で、プーチン大統領は高い国民の支持を受けている。

 そもそも、クリミア共和国の併合では一貫して親ロシアのクリミア住民の側に立った姿勢を維持し続けたプーチン大統領であったが、それは単にロシアの黒海艦隊の母港を置くクリミアを維持するという目的の他に、クリミア共和国住民のロシアへ併合の意志が強固であることを認識した上で、軍事力を背景とした外交政策を実行したことによることの反応であったわけだ。

 それに対して、欧米諸国の対応は経済制裁の一辺倒であって、これを予測していたプーチン大統領は、ロシア国民の支持を受けて強力にロシアの国益を主張できたのであった。
 
 ロシアからの天然ガス供給を受けるドイツは、その利害ではロシアの対応の煽りを直接的に受けることも、プーチン大統領が現在の状況を予測する上では、大きく作用していたのであろう。

(<a href="http://sankei.jp.msn.com/world/news/140327/erp14032720530012-n1.htm" target="_blank">この記事を参照のこと</a>)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140327/erp14032720530012-n1.htm