5/1朝日大阪3面WADC=奥寺淳特派員によると、キャロライン・ケネディ駐日米大使は29日、安倍総理の米議会上下両院合同会議での演説後、インタビューに応じ「・・首相が夏に出す戦後70年談話を巡り、『首相は過去の政府の談話を明確に支持した』と指摘。その上で、『首相が(隣国との)関係改善に誠実に取り組むと信じているし、今後数ヵで、関係改善はより大きく進むことを期待している』」と語った。
さらに、ケネディ大使は「演説について『とても印象的で、(議場の)反応は温かいものだった』と歓迎。特に、第2次大戦の激戦地、硫黄島で戦った元米海兵隊員を招き、和解を語ったことについて『戦後70年を思う米国人にとって、日米のきずなと深い関係を示すものになった』と語った。
今朝、私と定例の情報収集協議を行った高齢の識者は、「(当地岡山市で)戦中の小学生時代に、竹槍でルーズベルト米大統領、チャーチル英首相に模した藁人形を一刺しして、登校していた」と話したが、「歴史は、その時に帰って考えなければならない」ということだろう。・・当時を体験した人々は心では許しあえるのだろう。その後の世代には、学校の教科書における歴史である。
終戦の日米で言えば、原爆を落とされたほうと、原爆を落としたほうである。広島、長崎があり、核兵器の悲惨さが、核の使用を止めているとも言える。奥寺・朝日新聞特派員によれば、ケネディ大使は「オバマ大統領が被爆地を訪問するかは分からないとしつつ、『大統領は世界に、軍縮や核の不拡散を進める約束をしている』と強調した」と伝える。
引用が前後するが、安倍総理が、「歴史認識に触れた部分についても(ケネディ大使は)『日本国民を代表して反省の意を表明し、隣国との関係を改善していくことを約束した』と評価した」とある。
この「隣国との関係」こそ隣国の関係であり、太平洋をへだてた関係ではないのである。前述の「・・当時を体験した人々は心で許しあえるのだろう」・・戦後の交渉で双方で譲り合うことも状況により可能だったこともあった。
その体験のない教科書により歴史を規定された世代のその理解と和解のアプローチは、教科書以前の実態を知る人々の証言を聴き取る残された少ない時間にもあるのではなかろうかと考える。<了>