日米首脳会談・安倍総理訪米を前に | ExcomAdvisorのブログ

ExcomAdvisorのブログ

本稿は私・平田幸治の個人の意見・見解等を綴ったものです。

 このテーマは安倍総理に対米外交政策の提言をしようとするものではない。私は安倍総理とは地元の山陽新聞社の『時事問題懇談会』の席で講演講師の当時の安倍官房副長官に一度ご挨拶し握手を交わしただけだ。本稿は、山陽新聞4/12朝刊4面【識者評論 普天間移設問題】(共同通信配信)の元米国政府高官モートン・ハルペリン氏の評論記事を読んだ所感を述べることにある。

 私は学生時代からこのかた国際政治については慶應義塾大学のゼミナールの恩師・故神谷不二教授そして大岡山のTITキャンパスで師事の機会を快諾された故永井陽之助教授や幾たびも懇談の機会を許された故江頭淳夫(江藤淳)教授らとの日米関係の関心がその後の読書や毎日の新聞閲覧の主眼にあった。神谷教授のゼミでは同教授と親交のあるH・キシンジャー元米国務長官、Z・ブレジンスキー元米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、スタンレー・ホフマンハーバード大学教授らの原著をゼミナリストと講読したことが懐かしい。

 それから国際社会は変容を重ねてひさしい。現代は「IT」、「金融」、「エネルギー」、「食糧」等の厳しい国際競争をめぐり一層複合的で複雑である。

 さて、ハルペリン氏の評論だが、先のジョセフ・ナイ教授の国内TV報道の「巡回駐留」にしても、かつて私が駐日米国大使館セミナー等で懇談した米政府関係者の考え方と懸隔はない。むしろ総合対外政策としては大きなストレスを相互に極小化するものであろう。

 ハルペリン氏は「特に外国の領土に基地を造る際は、地域の人々の意見を聞くことがより重要になる。その努力をしないと、地域社会の抵抗が基地の存在の将来を脅かし、果ては2国間の主要な外交問題になっていくからだ」。

 ハルペリン氏の指摘のように私がまだみぬ沖縄の海は美しという。私は鳩山由紀夫元総理を世間が言うようにバカな政治家だとは思はない。沖縄の基地問題を占領期から返還に至るまで、私たちはアメリカのアジア政策の中で考えてきたが、イラク戦争のアメリカの軍事力展開をTV報道の動画でみて戦争の様変わりを認識することとなった。

 鳩山元総理の「普天間の基地移設は国外少なくとも県外」は、沖縄が悲惨な戦争の戦場となり、長きを経た戦後70年の今、沖縄返還以後の日米関係の中で、ハルペリン氏の「・・普天間飛行場の移設をめぐる昨今の議論は、沖縄に米海兵隊が存在することの必要性をめぐる新しい検証抜きで進められている。・・抑止力および軍の運用の観点から、他の可能性を選んだ場合の意味も考えるべきだ」。

 このことどもを鳩山発言から両国政府高官・米軍および自衛隊ハイレベル協議を継続できたはずだ。鳩山元総理の想いをここで推測はしないが物事には何事もプロセスがあることは少しく間違いない。

 ハルペリン氏は「沖縄だけが唯一の選択肢ではないだろう。・・」と。
国内はどうか。「代替地なくして沖縄のいたみの共有はない」と言わざるをえない。
 
 私は日米関係が日本にとって最も重要な二国間関係だと認識している。
 オバマ米政権で、キャロライン・B・ケネディ駐日米大使が誕生した。
同意された米国議会に敬意を捧げたい。私にとっては日米関係で最もうれしいことのひとつであることを特に銘記したい。<了>


<追記>「普天間基地移設」に関しては、朝日新聞2015年6月20日付カート・キャンベル氏へのアメリカ総局長インタビューを参照されたい。