『アジアの繁栄は日中の協力なくしてできない』(程永華中国大使) | ExcomAdvisorのブログ

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本稿は私・平田幸治の個人の意見・見解等を綴ったものです。

 山陽新聞2013年11月28日付朝刊で政治部・大島望記者は前日の11月27日に程永華駐日中国大使が故岡崎嘉平太先生(岡山県名誉県民)の言葉に触れ「『アジアの繁栄は日中の協力なくしてできない』と言われたが、その通りだ。手を携えて、アジアの平和と発展に努力すべきだ」と岡山市内での講演で話した、と報道している。

 程大使が岡崎先生の言葉を引用したのは井戸を掘った先人を思い出すのはいいことだし日中友好の営みが現下においても途絶えてないこともよいことだと考える。

 だが、岡崎先生らがどのような苦労をされ『日中問題への道』を切りひらいてきたか程大使の年齢だとよく理解されているはずだ。私は実父がお仕えした岡崎先生には1970年代の慶應義塾大学入学から岡山に帰郷するまで三井霞ヶ関ビルの全日本空輸相談役室で幾度となくご指導を賜った。

 私は慶應義塾大学で故石川忠雄先生の知遇を得て先生のお薦めで故神谷不二先生に師事していた。岡崎先生との対話は国際政治・日中関係であった。岡崎先生は自らの著書に「自彊不息」と記され私に渡された。これが岡崎先生の人生へのお気持ちだ。神谷先生が私に「高碕達之助、岡崎嘉平太はマイナーじゃありませんよ」と強く言われたことが思い起こされる。

 岡崎先生と故周恩来中国国務院総理の国際政治・安全保障の語らいをこのブログで述べることは馴染まないが、岡崎相談役室に周総理の色紙が飾られていたことは岡崎先生を訪問した人々なら周知のことだ。それほど岡崎先生と周総理に信頼関係があった。岡崎先生に日本の政治家とのこうしたことの語らいはと私が訊ねたら「福田君とはよく話す」。故福田赳夫総理のことだ。

 岡崎先生は今で言うなら自国で電子的監視にあいながら『日中問題への道』を『自彊不息』で井戸掘りをされ発展を導いた。山陽新聞・大島記者の報道によると程大使は防空識別圏設定について「特定の国や目的のために設定したわけではなく、この区域における民間航空機の飛行に影響をきたすことはない」と述べたとされるが、確かに岡崎先生は全日本空輸社長だった。

中国はGDPで世界第二位の経済大国、いまや米国財務省証券外国保有国第一位。『アジアの繁栄は日中の協力なくしてできない』(程永華中国大使)なら、程大使は中国本国にもっと岡崎先生の心とリアリティを伝えることがあるのではないか、というのが私の所感である。(了)