小泉純一郎元総理の「原発発言」については東京・内幸町「日本記者クラブ」の記者会見(2013/11/12)の模様を時事通信のネット配信記事以上には知見はないが次のような私見を持ったので若干の感想を述べたい。なお本稿は原発の是非を直接問うものではないことを申し添えます。
原発のフクシマ・クライシスの以前と以後の世界の認識が変わったことは事実として受けとめなければならない。確かに小泉元総理が指摘するフィンランドの核廃棄物の最終処分場「オンカロ」の事例はもっともだし、このことは比較する問題には馴染まないが、現政権の政策決定過程の沖縄の「普天間飛行場」移設代替以上に適地と地域の合意は困難を極める。
私の小泉元総理の発言からの感想はこうしたことどもではない。それは日本が科学技術立国で優れていると自認するならば、なぜ原発依存で再稼働しなければ高いエネルギー資源の調達で国が立ちいかなるという議論の前に、新エネルギー開発技術を確立しておかなかったかの疑問である。福島沖の世界初の浮体式洋上風力発電所が一機というのは例えシンボルといわれようがエネルギー安全保障政策の一歩であろう。
風力発電機とメガソーラー敷設で日本の原風景は変わらざるを得ない。選択肢は地熱発電、海上のさざ波等の可能性は議論されてきたのだろう。だが、フクシマ・クライシス以後の強力な代替案は現実化の政策には時間がかかるとされる。自民党の石破茂幹事長は小泉元総理の発言は直ちに原発ゼロとはいかないと述べている。
オイルショック以降の日本のエネルギー安全保障政策は議論はされたことも事実である。では、代替エネルギーを日本は安全保障政策として科学技術のスピードを高め確立することに遅延してきたのではあるまいか。原油、天然ガス、シェールガス等々とまだまだ化石燃料は地中海底に眠っているからと。
そうではあるまい。地球環境問題では世界をリードする構想や首脳発言をしたのも日本のリーダーである。ならば、科学技術大国の意地と矜恃を持って代替エネルギーの開発の科学技術のイノベーションのスピードを高めていきたい。この世界に構造的な既得権益の障壁はある。だが、今日と明日の国民生活の安定と安寧にまさる国益はない。必要なのはニュー・フロンティア政策だ。頑ばろう!日本!。頑ばろう!ふくしま!。(了)