理想と現実 | HIDE

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アメリカ サンフランシスコ在住。ベースボールとサッカー好き。誰が何と言おうとOakland A'sとSan Jose Earthquakesの大ファン。趣味:走ること、自転車、美味しいものを食べること。特にラーメンが大好き。乙女座B型。やはりちょっと変わっている....らしい。

突然ですが、海外で働く事に憧れますか?よほどの覚悟がなかったら、憧れのままにしておいた方がいいと思います。

私は割と飄々と暮らしているように見えますが、ここまで来るまで結構大変な思いをしてます。

どういう覚悟か身近の例をあげると、私の義弟はフィリピンで歯科医でした…でも、今はカナダで最低賃金で肉体労働しています。生活保護ギリギリですね。また、私の会社の清掃人は、アフリカで飛行機の整備士をやっていたんですが、今は清掃の仕事です。何が大変かというと、自国のキャリアは海外ではほとんど通用しないんです。採用の際、(移住先での)経験がないからという理由で採用が断られてしまいます。ですので、海外で働くという事は、1からキャリアを再度築きあげる必要があるんです。まだ20代ぐらいだったら若いのですし、キャリアをこれから築く最中ですから柔軟に動けるかもしれません…でも、30代、40代だと生活で責任も出てくるでしょうし、年齢で雇ってくれないケースも出てきます…いくら年齢による差別がないと言ってもね…また、海外で働くというのはある意味で片道きっぷだと思ってください。日本に帰りたくても帰れないんですよ。ドラマのようにはいきません…

私の場合は、幸いにも20代で渡米したため、キャリアを築き始める時期だったんですね。でも、10年間近い隷属的な雇用関係を経て(最低賃金とまではいきませんが、かなり日本より安い賃金で)、ようやく自由の身になれたのが30代後半…ホントにそれからですよ。生活が上向きになり始めたのは…実際にはさらに5年ぐらいは大変でした…そういう期間を経て自分のやりたい事が出来るようになりました…

ですので、甘い考えで海外で働こうとは思わないでくださいね…

なぜこんな事を急に書いたかというと、今朝、清掃人の人の生い立ちを知ったんですよ。なんか考えてさせられました…