磐越西線でC57を堪能した僕は東京の自宅には戻らず熊谷のネットカフェで仮眠をとった。もちろん秩父鉄道で鉄チャンするためである。翌日は寝起きにシャワーを浴びてから7時前に活動を開始。まずはクラ(車庫)がある広瀬川原に向かった。

機関車がクラから現れるのはもっと遅い時間であることは百も承知だが、小工式デフを装着したC58 363号機を一刻も早く見たかったのと、線路の向こう側にある駐車スペースには限りがあるからである。果たして一番乗りであった。

さて、C58 363号機。1974年の暮れに志布志線を訪れた際、志布志機関区配置機3両のうちついに会えなかったのがK-9のデフレクターを装着した112号機だった。僕はK-9デフが好みである。なんとなくヨーロッパ的でスマートかつオシャレな雰囲気がある。C57でもK-9を付けた196号機がお気に入りである。そんなわけでK-9を付けた姿になったC58を是が非でも見たいと思った。言ってみれば50年越しの逢瀬である。

クラから出てきたC58を見たときは感慨ひとしお。歳甲斐もなく興奮してしまった僕はあちこち動き回りながら2時間近く撮りまくった。おかげで腹いっぱい。あいにく天気も曇っているし、もう帰宅してもいいかなと思った。しかし、秩父鉄道にそうそう来る機会もないと思い直し、走行写真も撮影しておくことにした。往路2カ所で撮って店仕舞い、復路は撮らずに帰路についた。

以下に当日の写真を掲げる。撮影はいずれも2024.5.26。

↓広瀬川原でのC58 363。クラから出てきてしばらく停止した後、客車との連結のため移動開始。客車と連結し小休止、営業列車の通過を待って出発信号機まで移動。その後、熊谷へ回送されていった。

 

↓どこかに流し撮りできる場所はないかとアテもなく車を走らせていると、麦秋の一角を発見。背景がちょっとうるさいが、市街地なので贅沢は言っていられない。残念ながらピタッと止まったカットはなかったが、1/15のシャッター速度にしてはマアマアと自己満足。(大麻生ー明戸にて)

↓デフがわかるように撮れる真横の撮影ポイントは皆野親鼻河原くらいしか思いつかない。久しぶりに行ってみると、長瀞周辺の観光地としての発展ぶりに驚いたし、河原の駐車場は¥1,000の有料になっていた。肝心のデフは新緑を過ぎて濃い緑になった木々に溶け込んでしまい、あまり目立たなかった。


【お知らせ】

猫実マサヒロ氏(steam_locomotive_nostalgia)と青井岳夫によるYou Tubeチャンネル『機関車ラヂオ』。国鉄時代のあれこれに関し、アラ還前後のいい歳こいたオヤジのダベリと言えなくもありませんが、皆様にご笑覧いただければ幸いです。