札幌・釧路間の特急おおぞらとして活躍を続けていたキハ283系が運用離脱したのが2022年3月のダイヤ改正。永遠の別れと思ったが、1年後のダイヤ改正で石北本線で蘇った。そのときのことを本ブログで『キハ283の復活を言祝ぐ』と題して記し、実際にその年の5月に石北本線を訪れた際に上川・安足間間で撮影した。

しかし、その姿は根室本線を走っていた7連ではなく3連であった。多客期には5連にまで増結されることがあるとはいえ、7連には及ばない。先のブログでも言及したが、まるで地方私鉄の特急のようだ。「プラレール」というあまり有り難くないあだ名もついてしまった。石北本線という腐っても「本線」なのだから長編成で走って欲しいところだが、それは実現されることはないだろう。

それならば、好きなキハ283系、撮り方を工夫すればよいと考えるに至った。すなわち、編成の短さを感じさせない撮り方である。鉄道写真のセオリーに則ってオーソドックスに撮ったり、俯瞰して撮ったのでは、編成の短さに目が入ってしまう。それを感じさせない撮り方としては、

①横がちの構図で、車両の一部だけを画面に入れる

②1両程度のスパンで流し撮りをする

③背後が見えないド正面を撮る

といったところが考えられる。なんだ、そんなことか、と笑われる向きもあろうが、②以外は意外と撮れるポイントがない。①のような横がちに撮るには、背景になる写材がポイントで、山や木々といったところだろうか。しかし、なかなかこれといった立ち位置がないのがもどかしい。③にしても、どうしても列車と角度がついてしまう。600ミリ以上の超望遠レンズを用いればもしかしてとも思うが、テレコン使用では画質が気になる。新たに導入するにしても重く嵩張り、コスパは決して良いとはいえない。さらに、②の流し撮りについても、1日わずかしかない撮影チャンスで流し撮りをしてもきちんと流れないという失敗のリスクがある。いずれにしろこれからもさまざまな形でチャレンジを続ける以外に答はなさそうだ。

幸い今年のダイヤ改正で石北本線からキハ40が撤退したので、同線にたむろする同業者は激減するだろう。ならば、落ち着いた環境で今後ともチャレンジを続けようかなと思う昨今である。

↓旭川空港に着くと石北本線に駆けつけ、大雪2号を撮るのが近年は恒例となっていた。この日は背後に大雪山系旭岳が見えることを期待したが、叶わなかった。(当麻ー桜岡にて2024年3月)

↓緋牛内を通過する“オホーツク2号”。こういう真正面からの撮り方だと編成の短さがバレない。

↑↓編成の一部を切り取ることによって編成の短さをごまかした。しかし、実際の撮影では全編成が入るアングルで撮影している。(生田原ー金華(信)にて2023年5月)

↓夜間の走行シーンも編成の短さを感じさせないかもしれない。(生田原ー安国にて2023年5月)