5時に起きて窓外を見ると雪は降っていない。予報も今日は曇ベース。この三日間で一番の好天が期待できる。

まずは超近場のかなやま湖の駐車場付近から対岸を走る回2473Dと折り返しの2474Dを撮影するつもり。気温マイナス10℃。シバれるほどの低温というわけでもないのにカメラの液晶表示がおかしくなり、再生画面から撮影画面に切り替わらなかったり、切り替わってもピントが機能しないという現象が発生。列車が来る直前だったので焦ったが、予備機に素早くチェンジし、事なきを得た。

↓2泊お世話になったかなやま湖保養センター。1泊素泊まり¥5000以下と富良野としては格安なので愛用していた。しかし、残念ながら宿泊営業は今月いっぱいで終わり。人手不足が深刻化しているのが理由という。

↓かなやま湖の(東屋のある)駐車場付近から撮影。駐車場自体は除雪されていないので、路肩に駐車して三脚を立てた。

そして、あまり期待せずに金山ダムサイトに向かった。芦別岳は見えないが、コンクリート橋に日が当たっている。車の中で温まったのか、本務機の機能が回復しているようでホッとした。ここで2471Dを撮影。

↓金山ダムサイトには日が差し込んでいるが、芦別岳は見えず。この日の同業者は計4名。

↓山部球場。またもや芦別岳は見えず。よほど縁がないらしい。

続いて一縷の望みをかけて山部の球場に行ってみた。しかし、山は見えず。仕方ないので落葉松を背景に車両を大きく入れて撮った。列車は宗谷色だった。金山ダムサイトでは気がつかなかった。普通ならこれを追いかけて富良野以北に向かうのだが、それはせずに富良野郊外の空知川第四橋梁に向かった。除雪された道路のどんつきに車を置き、スノーシューを装着して堤に登った。余談になるが、このスノーシュー、ネット通販で3000円以下で購入したもの。去年、止別の丘で出会った方が十分実用に耐えると言っていたので、物は試しと購入した。果たして、なかなかどうして侮れない。数万円するTSLというフランス製の本格的なスノーシューも持っているが、全長が長く荷物として嵩張り、歩くときも引っかかってしまう。それに対し、これはコンパクト。林間登山でない鉄チャン用としては十分だと思った。

ほどなくやってきた2475Dは所定の運用どおりタラコ+北海道色の2両編成だった。これが午後イチの東鹿越行きになる。

↓空知川を渡るキハ40。通常は単行だが、今月の土日は2連になる。富良野水処理センターの先、線路の手前まで除雪されているのがありがたい。

そうとわかれば、遠くから俯瞰して狙いたいところだが、アタリをつけた場所に下見がてら回ったが、どこも雪が深く容易にアクセスできそうにない。次善の策として、下界の以前撮影したことのあるポイントに立ち位置を決めた。昼飯を食べ終わる頃になると、天気は日が差すほどに回復してきた。圃場の除雪も至る所で行われている。これからしばらくは雪が降らない見通しなのだろう。しかし、山の方角に目をやると、布部岳は見えているが、芦別岳は雲で隠れて見えない。やはり今回もダメなのか。この立ち位置からは長い間列車を眺めることができ、枚数を稼いだ。

↓農道に車を停めてまったりしていると、巡回と思しきパトカーがやって来たが、何も言われなかった。タラコを先頭にした2連が通り過ぎていった。(富良野ー布部)

返しの列車を撮るべく芦別岳はダメ元で山部のとある撮影ポイントに向かった。すると、付近の家の玄関前に立っているご老人から「次は15時40分頃に来るよ」と教えられた。そのうちにそのご老人は首からニコンを下げて登場。世間話をするも結構専門的な内容で、僕がそれに応えていると更に専門話に拍車がかかった。芦別岳の撮影適地から始まり、山部の鉱山華やかなりし頃の様子、鳥獣被害の現状、一帯の土地改良の経緯、更にはIターンの新規就農者によるメロン販売の実情などなど、短時間ではあったが非常に有意義かつ楽しい時間を過ごすことができた。そのままそこで北海道色+タラコの2482Dを横がちの構図で撮影した。

↓山部ー布部をいく2482D。元土地改良区長のNさんは写真が趣味でニコンの500ミリやデジタル645をお持ちと言う。撮り鉄の立ち位置を細かく教えてくれた。そのNさんと並んで撮影。

これにてフィールドでの撮影は終わり。最後は富良野駅の発車と決めていたので、構内はずれの歩道橋に上り、暮れゆく富良野の街を後に東鹿越に向かう2479Dを撮影した。

全ての日程を終え、旭川空港に戻った。今回と前回(12月)合わせて結局雪景色の芦別岳を撮ることは叶わなかった。しかし、僕としては根室西線(富良野ー東鹿越)にしっかりお別れできたと思っている。

↓富良野を発車して東鹿越に向かう列車。これで終わりと思うと寂しさが込み上げてくる。

↓旭川空港ではいつも通り農珈屋のカレーでひとり祝杯をあげた。