崎陽軒のシウマイ弁当が発売から70年になるらしい。世の中に「駅弁」と称するもの数多あれど、僕は昔からシウマイ弁当に勝るものはないと思っていた。「いた」と過去形で書いたのは、なにも崎陽軒がトップの座からずり落ちたということではなく、崎陽軒の弁当はシウマイ弁当に限らず、どれも素晴らしいということを知ったからである。

僕は横浜市中区のオフィスで働いているのだが、午前中東京で用務があるときなど、お昼時に横浜駅で乗り換えることがある。その際には中央コンコースにある崎陽軒の売店を覗くことが常となっている。そこには「入荷待ち」の札が立っているものもあるが、結構な種類の弁当が並んでいる。売店の前でどれにしようか悩むのも楽しい。定番のシウマイ弁当はもちろんのこと、季節の松花堂弁当も彩りが美しいし、幕の内弁当も昔ながらの王道の中身で素晴らしい。それをオフィスに持ち帰り、部屋で包み紙をはずし蓋を開けるときには思わずニンマリとしてしまう。

↓ご存知シウマイ弁当。輪ゴムでなく紙紐で結んであるのが都筑区にある横浜工場製の証し。

↓幕の内弁当の中身は昔懐かしい具がたくさん。

↓横濱チャーハンは温かいうちに食べたい。

いつだったか新幹線で京都へ向かった際に、東京駅構内の売店で「ほやとウニご飯」という名前に惹かれて買った弁当が中身スカスカで、怒りを覚えたことがある。それに対して、崎陽軒の駅弁にハズレなし、安定の崎陽軒なのである。

焼売を「シウマイ」と表記するのは明治期に横浜駅長をつとめた創業者の栃木弁に由来していることや、シウマイに欠かせないホタテ貝柱は北海道・猿払村漁協のものを使用していることなど、物語性があってとても好感が持てる。

崎陽軒のWEBサイトを覗いてみると、弁当以外にもブランケットとかクッションとかを販売してファンの獲得に努めているようだ。既に全国区としての名声を得ている中でそのような取組をしていることに敬意を表したい。さらには「シウマイ大使」なるものもあるようで、恥ずかしながら機会があればチャレンジしたいとすら思っている。

全国の駅弁コンテストなどでは高級食材をこれでもかと詰め込んだ度肝を抜くような弁当が上位に来るが、僕は崎陽軒のような普段着の弁当が飽きがこなくてよいと思っている。そろそろ前期高齢者の仲間入りが近づいている僕がいつまで横浜で働けるかはわからないが、なるべく多くの種類の崎陽軒を食べたいと思っている。

↓たまには贅沢しようと松茸の入った松花堂弁当を買ってみた。

↑↓季節毎に販売されるおべんとうも楽しみである。

↓最近のイチオシは蟹ごはんの松花堂弁当。コストパフォーマンスがいい。お品書きが印刷されているところに会社の意気込みが感じられる。


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チャンネル名は『機関車ラヂオ』、既に4本の番組が公開されています。内容は、Instagramにおいて#steam_locomotive_nostalgiaのハンドルネームで御尊父が撮影した蒸機現役時代の写真を中心に投稿している猫実マサヒロさんが発案・企画・編集した映像(写真や動画)に、猫実さんと僕が音声会話をかぶせたものです。特に猫実パパが蒸機現役時代に撮影した動画や写真は圧巻です。それらの映像を見るだけでも一見の価値があると思います。僕はポストSLのDLやDCなどの写真を提供しています。番組自体はアラ還前後のいい歳をした親父のダベリと言えなくもありませんが、

皆様にご笑覧いただければ幸いです。