今年は鉄道開通150周年ということで、これから10月14日に向けて様々なイベントが催されることになるのだろうか。

100周年の1972年は当時いわゆるSLブームの真っ只中ということもあって各地でさまざまなイベントが催された。最大のイベントは京都梅小路に蒸気機関車館がオープンしたことだろう。テレビでは『大いなる旅路』と題する鉄道ドラマが放映された。余談だが、その主題歌がすごく良くて、以来僕は小椋佳のファンになった。

↑↓国鉄分割民営化を前にした梅小路蒸気機関車館での展示

蒸気機関車による記念列車はそれこそ全国津々浦々で運転された。中でも九州の日豊本線ではC61、C57、C55による三重連、山陰本線ではなんとD51、C56、C57による四重連まで登場した。首都圏でもC57 7が汐留•東横浜間を走った。今では信じられないことである。

↑↓国鉄分割民営化に際し宮原区所属のブルーのEF58 150号機が茶色く塗られ、車籍復帰した往年の特急用展望車マイテ49 2を連結して走った。当時京都勤務だった僕は国鉄分割民営化を当地で迎えた。

果たして今年はそこまで盛り上がるかというと、そのようなことはないと思う。コロナ禍がどうなるかいまだ見通せない現状では多くの人が集まるようなイベントは開催しにくいだろうし、仮にコロナ禍がなかったとしても大したイベントはないのではないかと思う。100周年のときのようなブームはないし、国鉄分割民営化のような国民の関心事でもない中では、鉄道会社としてお祭り騒ぎはできないだろう。せいぜいが車両基地での撮影会、車両へのヘッドマーク掲出、記念グッズの販売、鉄道博物館でのイベントといったところではないだろうか。僕の無責任極まりない妄想を言わせてもらえば、

明治村の蒸機と客車を汐留の旧新橋停車場で展示したのち、高輪ゲートウェイ付近の復元した路盤で走らせ、1872年の開業当時の様子を再現する

はたまた

カシオペア編成を使ってJR北海道からJR九州まで全国を周遊する(牽引機はJR化後にデビューしたカマを基本とし、1回だけC57又はD51が重連で引っ張る)

とか… そんな僕の貧困な発想を大きく凌駕するような凄いイベントをほんの少しではあるが期待したい。

↑↓国鉄分割民営化を前に大阪•梅田貨物駅ではC62 2号機が有火で展示された。用務で大阪に出向いた際にカバンにカメラを忍ばせて立ち寄った。


ところで鉄道150年記念イベントを先取りする形で車両撮影会が各地でチラホラ開かれているが、決して安くはない入場料というか参加料を取ることが多いようだ。そのこと自体を悪くいうつもりはないし、タダ乗りを防げるのであれば対価はきちんと取ったほうがよい。問題はその撮影会準備の合間に主催者側の社員が撮影していることだ。先月の都内某所での撮影会では準備中に社員が撮影している姿がSNSにアップされている。3万円近くする高級料亭の店員が料理をつまみ食いしているようなもので、恥ずかしく情けない。老婆(爺)心ながら、世間はそういうふうに見ているし、社員はそういうふうに見られていますよ。