羽田から釧路に飛んで、第一印象は雪が極めて少ないということ。去年は雪が多くて例外だとしても、一昨年より遥かに少なく、路面が乾ききっている。車を運転するぶんには楽だが、湿原を俯瞰すると雪の少なさが際立つはず。

印象その2は例年と客層(鉄チャンの)が明らかに違うということ。例年だと50〜60歳代以上が多いが、今年は20歳代と思しき若年層が圧倒的。SLがDLに代わっただけでこうも違うのかと驚いた。最近の若年ファンは線路端にかぶりついて長玉で正面ドカンを狙うのがお好きのようだが、当地でもそういうアングルで撮れるところだけ密になっている。しかし、それ以外のところはそんなこともなく場所取りにも余裕があるのは幸い。

↓踏切近くに集結する若年鉄チャン。

さて、僕はというと初日(2/4)は往路をシラルトロ湖のほとりから阿寒の山を入れて撮影。復路は茅沼駅のはずれから防風林をバックに撮影後、移動して釧路川の鉄橋で撮影した。正直に言って蒸機のようなワクワク感や緊張感はないが、ヘッドマークのつかないDE10は新鮮に映った。肝心の冬の湿原号だが、パッと見たところ平日にもかかわらず満席に近い乗車率のようで、意外に思うとともに安心した。

↑茅沼駅を発車する冬の湿原号。2エンドが先頭なのがいい。

↑釧路川を渡ると終点釧路はすぐ。太陽の光線が弱いのが残念。

いったんホテルにチェックインした後、キハ283系を撮ろうとカメラ1台の軽装で釧路駅へ。ここも若者が20名ほどの賑わい。ジジイは肩身が狭い。

当地も蔓延防止措置が発令中ということもあり休業している飲食店も多い中、外食は控えスーパーで食材を仕入れ部屋食にした。

↑釧路に着いたかと思う間もなく札幌にトンボ帰りするキハ283系

↑鉄チャンの考えることは皆同じ。

 

翌日(2/5)は夢ヶ丘展望台へ。今回は達古武キャンプ場の駐車場からのアプローチという遵法ルート。木道が整備されているとはいえ、沢を大きく回りこむところや凍った登り坂もありそれなりにキツい。おまけに汗と湯気で眼鏡が曇り、拭いても拭いてもすぐ曇る。駐車場から30分もみておけば十分と思ったが、実際は小一時間かかってようやく展望台に到着。一番乗りだった。前回は低気圧接近による暴風で待ち時間がしんどかったが、今日は絶好の撮影日和。雪もそれなりにあって前回よりいい感じ。狭い展望台に9人(お一人様4名、3人組1組、男女のカップル1組)が集結した。3人組はよく喋る集団のようで、中の一人はマスクもしていない。他の人達は3人組に近づかないように気をつけている様子。それでも喋り続けている。アッパレ!というほかない。

↓夢ヶ丘展望台から見下ろす冬の湿原号

↑茅沼•塘路間を行く冬の湿原号。冷泉橋にて撮影。

返しは細岡•釧路湿原間の丘から大俯瞰をしようと考えていたが、夢ヶ丘往復で元気を使い果たしたので、安直に冷泉橋から。今の僕の体力では致し方ない。

その後は追いかけずに気になっているコッタロ湿原展望台をロケハン。しかし、塘路側からはもちろん、迂回して鶴居村側からも道路が閉鎖されていて辿り着けず、今シーズンもコッタロ湿原展望台は不可。実地踏査してよかった。こうなると拙著『Excellent Railways ー遥かなる鉄路ー』に掲載した写真が貴重なもののように思えてくる。釧路市内に戻る途中で伊藤サンクチュアリに立ち寄り、丹頂をひとしきり撮影。

↓鶴居•伊藤サンクチュアリにて70-300mmにx1.4のテレコンを装着して撮影。撮影しだすと止まらない。ふんぎりが大事。

今夜の晩飯は回転寿司屋のテイクアウト。釧路は“まつりや”派と“なごやか亭”派に二分されるらしいが、今回はテイクアウトメニューが充実している前者。地物を中心にチョイスし、ホテルで舌鼓を打った。(続く)