裏MOD名盤136 シン・ジャクソン5 | 深夜超特急

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本日はご乗車ありがとうございます。

ああ僕はどうして大人になるんだろう

 

ああ僕はいつ頃大人になるんだろう

 

ーーー武田鉄矢「少年期」

 

 

2022年4月1日、

 

民法の一部を改正する法律が施行され、

 

成年年齢が20歳から18才に引き下げられました。

 

今回はそんな時代の変革期に相応しい1枚、

 

ジャクソン5改め、

 

ジャクソンズの1枚目、

 

「僕はゴキゲン」(1976年)をご紹介します。

 

 

Track listing

 

Side one

 

1. 僕はゴキゲン

 

2. ふたりはハッピー

 

3. 愛のひととき

 

4. Keep on Dancing

 

5. Blues Away

 

Side two

 

1. 愛ある世界へ

 

2. いつもふたりで

 

3. くよくよしないで

 

4. 今日も夢見る

 

5. Style of Life

 

Personnel

 

ジャッキー・ジャクソン(ボーカル)

 

ティト・ジャクソン(ボーカル、ギター)

 

マーロン・ジャクソン(ボーカル)

 

マイケル・ジャクソン(ボーカル)

 

ランディ・ジャクソン(ボーカル、コンガ)

 

Additional musicians

 

MFSB(演奏)

 

 

本作の制作背景は以下の通り。

 

・三男ジャーメインがモータウンの社長の娘と結婚

 

・人気低迷

 

・兄弟がアーティストとして自我の芽生え

 

・父親ジョーが秘密裏にレコード会社移籍を画策

 

・モータウンと契約満了に伴いCBSへ移籍

 

・三男ジャーメインはグループを脱退

 

・モータウンと法廷闘争

 

・商標登録によりグループ名を剥奪される

 

・七男ランディ加入

 

・ジャクソンズとして再デビュー

 

こう箇条書きにしただけでお腹いっぱい。

 

ザ・ノンフィクションのテーマ曲、

 

「サンサーラ」が流れてきそうです。

 

しかし実際本作に針を下ろすと、

 

聴こえてくるのは多幸感溢れる楽曲ばかり。

 

それもそのはず、

 

レコーディングはフィリーの本拠地、

 

シグマ・サウンド・スタジオ。

 

プロデュースはもちろんギャンブル&ハフ

 

演奏はやはり常勝軍団のMFSBですが、

 

中心人物のヴィンス・モンタナ、

 

ノーマン・ハリス、

 

ロニー・ベイカー、

 

アール・ヤング、

 

バニー・シグラー等がサルソウルへ移籍。

 

代わりにバンドを支え、

 

ジャクソンズをサポートしたのは、

 

新進気鋭のデクスター・ウォンゼル

 

彼は本作収録曲の「Keep on Dancing」

 

 

「いつもふたりで」で作詞作曲、

 

 

後述するジャクソンズのオリジナル曲では、

 

アレンジを担当するチートぶり。

 

他に特筆すべき点は、

 

シングルカットされた3曲。

 

まずは日本盤の表題曲となり、

 

ジャクソンズ名義で再デビューシングルの、

 

「僕はゴキゲン」は全米チャート6位、

 

R&Bチャート2位を記録しプラチナ獲得。

 

まさに中興の祖(ちゅうきょうのそ)。

 

 

B面はマイケルが次男ティトと共作、

 

「Style of Life」

 

 

2枚目のシングルカットとなった、

 

「愛ある世界へ」は全米チャート28位、

 

R&Bチャート6位とやや落ちるも、

 

シルバー獲得。

 

またジャクソン5時代を含め、

 

初となる全英1位を記録。

 

 

B面は18歳のマイケルが初めて作詞作曲し、

 

無限の可能性を秘めた、

 

「Blues Away」

 

 

英国での人気はさらに続き、

 

3枚目のシングルカットとなった、

 

「今日も夢見る」は22位。

 

 

シングルA面全ての作詞作曲は、

 

プロデューサーのギャンブル&ハフ。

 

この時期の彼等は中畑清の如く絶好調。

 

彼等が書いたアルバム収録曲も質が高く、

 

ダンスナンバーの「ふたりはハッピー」

 

 

続く「愛のひととき」への流れは完璧。

 

 

マクファデン&ホワイトヘッドが書いた、

 

「くよくよしないで」も外せません。

 

 

ジャーメイン不在の穴は、

 

及ばずながら長男ジャッキーがサポート。

 

その流れを汲んだAB各面のラストは、

 

前述の兄弟のオリジナル曲を配置。

 

少年から青年へ、

 

アイドルからアーティストへ。

 

モータウンからフィリーへ。

 

時代の変遷と共に、

 

彼等もまた変貌を遂げるのでした。

 

→TO BE CONTINUED

 

◼️次回予告

 

あのキング・オブ・ポップが初登場。

 

お楽しみに。

 

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