裏MOD名盤120 めんたいロックの父 | 深夜超特急

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本日はご乗車ありがとうございます。

ブルースばやろうぜ

 

ーーー鮎川誠

 

 

時は1963年ニューヨーク、

 

フォークリバイバルの波は、

 

ブルースそれもデルタ地帯まで及び、

 

音楽に貪欲な若者達は、

 

ミシシッピ・ジョン・ハート、

 

ブッカ・ホワイトとサン・ハウスを発見。

 

前者の2名は小作人、

 

タンク工場の工員ながらも現役でしたが、

 

ニューヨークにて発見された後者は、

 

グランドセントラル駅の荷役人で、

 

音楽活動からは身を引いていました。

 

そこでボブ・ディランを見出し、

 

ロバート・ジョンソンの再発に尽力した、

 

ジョン・ハモンドは、

 

矢吹丈にハリマオを差し向け、

 

野生の勘を再び蘇らせた白木葉子の如く、

 

サンの熱烈なファンであり、

 

後のキャンド・ヒートを結成する、

 

アル・ウィルソンを召喚し、

 

サン・ハウスかくあるべしと、

 

助力を惜しまず彼にギターを持たせます。

 

そしてサンは前述のハートとホワイト、

 

入院中に発見されたスキップ・ジェイムズと、

 

ニューポートフォークフェスティバルに出演。

 

その模様は同フェスティバルを纏めた映画、

 

「フェスティバル」で確認出来ます。

 

その後CBSでアルとレコーディングを行い、

 

「Father of Folk Blues」(1965年)を発表。

 

 

Track listing

 

Side one

 

1. 死亡通知

 

2. Pearline

 

3. Louise McGhee

 

4. John The Revelator

 

5. エンパイア・ステイト急行

 

Side two

 

1. 説教ブルース

 

2. 気にするな

 

3. 日没

 

4. 堤防工場現場の嘆き唄

 

Additional musicians

 

アル・ウィルソン(ギター、ハープ)

 

 

忙しい方のために聴きどころを簡単に。

 

まずサンの代表曲で再録された、

 

「死亡通知」「説教ブルース」の2曲。

 

 

前者は初出時「My Black Mama」とされ、

 

有名どころではグレイト・フルデッドや、

 

ホワイト・ストライプスがカバー。

 

また前述のジェイムズはこの曲を、

 

「Special Rider Blues」へと発展。

 

 

 

後者はサンを師と仰ぐ、

 

ロバジョンも同名異曲を発表し、

 

事実上デルタブルース新旧対決。

 

カバー曲は古典の「John The Revelator」

 

 

後年のロンドン公演時にも披露し、

 

同名のライヴ盤が近年CD化されました。

 

(ピーター・バラカンが観たかは不明)

 

歌詞の一部がブラインド・ウィリー・ジョンソンとは異なります。

 

ブルースロックファンにお勧めなのは、

 

前述のアルが黒子に徹した、

 

「エンパイア・ステイト急行」

 

「堤防工場現場の嘆き唄」の2曲。

 

 

前者ではギター、

 

 

後者ではハーモニカで貢献。

 

総じて本盤に針を下ろせば、

 

戦後にして戦前デルタの真髄を追体験。

 

ロバジョンの交差点の先は底深き沼へ一直線。

 

→TO BE CONTINUED

 

◼️次回予告

 

今年結成30周年を迎える、

 

フェイブ・レイブス特集として、

 

今年没後40年を迎える、

 

サザンソウルの大御所が初登場です。

 

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