妊娠中期になってつわりが終わった頃から、同じ8月出産予定のプレママさんたちとネット上で交流するようになった。
お散歩してる?ベビー用品は揃えはじめた?お腹の張りはどう?
妊娠中の色々な悩みやちょっとした雑談まで、同じようにお腹が大きくなっていく仲間だから気持ちが分かりあえて、楽しかった。
初夏。妊娠後期になって、いよいよ出産が見えてきた頃。
出産しました、という書き込みをいくつか見かけた。
その子たちは、色々な事情があって、お空へ帰っていった。
生まれたのは8月ではなかったけれど、同じ8月出産を目指して素敵な時間を過ごしてきた仲間として、ここに報告させてもらった、と書いてあった。
私は、不妊治療をして子どもを授かったので、妊娠するのは奇跡なんだって何度も思ってきた。
そして、このママさんたちの書き込みで、生きてうまれてくるのも奇跡なんだって、今自分が生きているのは本当にすごいことなんだって気づかせてもらった。
書き込みをしてくれたことに、すごくすごく感謝している。
ただ、本当に悔しかったのは、この書き込みに対して、そんな残念なお知らせしないでください、とコメントした人たちがいたことだった。
もし自分の子が帰ってしまったらと不安になった気持ちは分からないでもない。
でも、どんな形の出産であったとしても、同じ時期に妊娠生活を過ごしてきた仲間に、そんな残酷なことがよく言えたものだと驚いた。
そのコメントが原因で揉めて、せっかく書き込みをしてくれた出産報告は、全て管理人さんに消去されてしまった。
悲しい気持ちになったけれど、人の生死、普段向きあわない命ということについて、強く意識が向けられた時期だった。
妊娠中、たまごクラブに監督の連載がのっていた映画、「うまれる」が今公開されているようだ。
私は赤ちゃんがいるので残念ながら見にいけないけれど。
親になることへのためらい、不妊、障害をもってうまれてきた子、死産についてのドキュメンタリー映画。
見てないのでちゃんとした内容は分からないけれど、「うまれる」ことの奇跡を、出産を体験していない人にも感じてもらえるんじゃないかと思う。
この映画の中で、死産を経験したお母さんの話に使用されている「泣いていいよ」というショートアニメのようになっている歌をyoutubeで見た。
あの、8月出産予定だったママたちのことを思い出した。
今、元気な息子が自分の腕の中にいる奇跡に、涙がでた。