思い出すたびにせつなくなる物語 | 海老沢稔のブログ“えびぶろ”

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麻雀業界にずっと携わってきて、ある日突然麻雀プロになることに挑戦することになった、ある男の麻雀的日常。

 まあなんとなく、昔話をひとつ。


 その昔ある人が、妹のように可愛がっていた女の子がいました。


 そのコはとっても頭が良くて明るくて面白くて人気者なんだけど、ホントは心や体が弱くてとっても寂しがり屋さんでした。


 そのある人は、またとても可愛がっていた弟分にそのコを紹介しました。


 初めて会った頃からとても気が合ったその二人は、すぐに付き合い始めました。


 仲良く付き合う二人を、その人は大変喜んでそっと見守り続けていました。


 ある日を境に体調を崩した女の子は、あんなに明るくて人気者だったのに。その人や彼氏の前以外にはほとんど姿を見せなくなり、自宅で療養を続けるようになりました。


 原因は夜道での外人による暴行。


 彼氏による献身的な面倒もあって半年くらいでだいぶ元気になってきて、また三人で普通に遊んだりすることもできるようになってきたかなってぐらいの頃。


 三日間音信不通だった彼女の部屋を訪れた彼氏が見つけたものは、冷たくなった彼女の死体でした。


 苦しそうな顔もせず穏やかな笑みをたたえた彼女の右手には、彼氏への感謝や永遠の誓いをしたためたメールが未送信のままのケータイが握られていました。


 すぐに状況を理解した彼氏がそのメールをそっと送信すると彼のケータイは着信音を奏で、しばらくすると遅すぎる救急車がやってきました。


 次の日その人を予約した個室の居酒屋に呼び出した彼氏は、精一杯笑いながら目を真っ赤にして、どう言ったらいいかわからない言葉を一生懸命口にしました。


 “えびさん、ごめん。あいつ、死んじゃった。”


 数少ない親族もろくに見守りもしようともしない火葬場で、ポツンと立ちすくみ続けることも叶わなくなって泣き崩れる彼を懸命に支えながら、ホントはみんな自分のせいなんじゃないのか??と言い様のない自責の念にかられたあの頃。



 そんな彼とも、今はまた楽しく麻雀打てるようになったね~と。


 まあいいか悪いかはわからないけどww 僕らはまたこうやって過ごしていくんだけどね。


 今年はお墓参りに行きたいんだ。ずっと行けてないから。

 そんなあのコも天国で“私はいいからアニキが落ち着いてくれないと安心して成仏できないからww”って言ってる姿が目に見えて想像できちゃって、苦笑いしちゃうんだよね~