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「兄ちゃん!ロープ切って助けてくれたじゃないか!!忘れちゃったの!?」
そこまで言われて、やっとコウも分かったらしい。
「あっ!あの時の!…そっか、無事に逃げられたのかぁ、よかったなぁー。」
嬉しそうにそう言うと、少年の頭をなでるコウ。
しかし父親らしき人物は、何か不機嫌な様子でコウを睨んでいるように見えるのだが……。
「本当に、何とお礼を言ったら良いか。ほら、アンタも!お礼を言わなきゃダメでしょ!」
母親が夫にそう怒鳴ると、彼はしぶしぶ口を開く。
「ああ、うちの息子を助けてくれた事は感謝している。……しかし、だ。話を聞けば、相手はネオ・CFギルドだったそうじゃないか。」
表情が硬いまま、父親が続ける。
「あいつらに勝てる奴は、俺の知る限りあいつらだけだ。なのに、何で君は生きてここに居る?」
「そ、それは……。」
コウは言葉に詰まった。イビルバスターの事は秘密にしなければならない。しかし、確かに父親の言うことも正しい。
そんなコウを見かねたのか、エリーゼが二人の会話に割って入った。
「でも、戦ったんでしょ?さっき傷跡を見せてもらっ」
「戦ったんなら、なおさら生きていられるはずがない!つまり、君も連中の仲間だったとしか思えないんだよ!」
エリーゼの言葉を遮るようにそう怒鳴る父親。すると、コウを含めてその場に居た全員が、はっとなった。
「いや、僕は違います。断じてネオ・CFギルドのメンバーじゃない!」
コウがそう怒ってみせるが、父親は認めないの一点張り。おまけに、
「大体、こんな暗くなる時間まで娘を引っ張り回しおって。無事に帰ったから怒るだけに留めてやってるんだ!用がないならさっさと失せろ!」
と、ヒートアップする父親。怒りに我を忘れ、本音がとうとう口を突いて出たようだ。
そんな彼の発言で、コウのネオ・CFギルドメンバー疑惑に捕らわれた家族は、もうそれ以上コウを擁護出来なくなっていた。
誰も、コウ自身も、その疑惑を払拭出来ないのである。ここまで来れば、もはや仮にイビルバスターへ変換して見せても、疑惑は更に増すだろう。
ここまで自身の潔白を必死に訴えたコウも、やがて諦めたように
「…分かりました。もうこれで立ち去ります。…ぼうや、お父さん怒らせて悪かったな。エリーゼ、元気でな。」
それだけ言って、家族に背を向けた。そして立ち去ろうとした、その時。
「「「ハイヤー!」」」
猛烈な馬の足音と共に、暗がりの中を走っていく何者かの姿。
手にしていたランタンで、全員バシネットを被っていた事だけは分かった。
「あれは!」コウが驚いて、振り向きざまに
「家へお入りなさい!ネオ・CFギルドだ!」
と叫ぶ。
両親と姉弟は同時に顔を見合わせ、うなずくと、ログハウスへと走り出した。
だが、反対に今走り去ったネオ・CFギルドのメンバーを追いかけようとするコウ。
それに気づいたエリーゼが、
「何してんの!早くコウも入らないと!殺されるよ!?」
と、コウを引っ張ろうと駆け寄る。
「エリーゼ!?…君は家に入れ!僕にはやるべき事があるんだ!」
しかしエリーゼの視線は鋭くコウを見つめており、行くなと言わんばかりだ。



























































































