黄色いアイリス アガサ・クリスティー 著 中村妙子訳
ハヤカワ・ミステリー文庫 ★★★☆☆

表題作を含め9つの作品が収められている短編集。

実はアガサ・クリスティーって名前だけしか知らなかったんです。
この書を読んで初めポアロってアガサ作品だったんだって気づいたくらいですから。
ビデオは見たことありましたけど。

短編ですが、どれも読み応えがありました。
犯人はなんとなく推測できるのですが、それを解き明かしていく手法がすばらしい。
なにか、じわじわと病みつきになっていきそうな感じがします。

僕のお勧めは『あなたの庭はどんな庭?』

それと、『ポリェンサ海岸の事件』という作品の中で、次のような一文がありました。

「これは海のほとりに立っている小さなホテルだが、快晴の日の朝霧の中にまるで日本の版画のように幽艶にけむる風景を見下ろす場所にあった」

ミステリーの女王アガサ・クリスティーに日本はどのような印象を与えていたのでしょうか。
外国の作家の作中に日本についての言葉があると日本ってどう見られていたんだろうと、わけもなく気になります。
麻雀放浪記 青春編 阿佐田哲也 著 角川文庫 ★★★☆☆

あえてハードボイルドのカテゴリでUPします。

戦後焼け野原となった上野界隈を舞台に、坊や哲・ドサ健・出目徳ら博打で生きていく。
いや、生きていくというより戦うといったほうがいいかもしれない生き様を描いた作品。

何十年か振りに読みました。
以前読んだときは、単に麻雀娯楽小説としてでした。
でも今読み返してみると、僕にはこれはハードボイルドなんだと感じられるのです。

僕にはできないけど、こんな生き方もかっこいい。
ドサ健がいう…
「不幸じゃない生き方ってのは、つまり安全な生き方って奴があるだけだな。安全に生きるために、他のことをみんな犠牲にするんだ」
海がきこえるⅡ アイがあるから 氷室冴子著 徳間書店 ★★★★★

その名のとおり「海がきこえる」の続編です。

拓と里伽子の大学生になってからの物語。

アイがなきゃ人には優しくなれないよな。アイがなきゃその優しさは見せかけだね。
ふと、そんなことを思い浮かべていました。

読みきるのに、時間がかかりました。
残りのページ数が少なくなっていくごとに、読むスピードが落ちていきます。

物語が終わってほしくない。
そんな気持ちにさせられる、珠玉の作品です。

海がきこえる 氷室冴子著 徳間書店 ★★★★★


はじめはなんとも思っていなかったのに、いろいろな事件を通して好きだったことに気づく。
親友に言われ初めて自分の気持ちがわかる。
そんな青春ラブストーリー。

ジブリのビデオは見たことがあります。
本書では、ビデオではわからなかった登場人物の感情がわかりました。
僕に純な感情がなくなってしまったから、ビデオから読み取れなかったのかも知れませんが…。

読み終わったあとのなんともいえないさわやかな気分。

宝物を見つけました。
江戸川乱歩傑作選 江戸川乱歩 新潮文庫 ★★☆☆☆

江戸川乱歩の処女作『二銭銅貨』を含む9編を収めた短編集。

あの明智小五郎が登場する作品もあります。

人間の深層心理。いわゆる悪に対する潜在的願望。
根底にこれらが存在する乱歩ワールドの一冊でした。

時代背景がわかればもっと楽しめたのかもしれません。

僕のお勧めは『心理試験』