夜の終り 北方謙三著 講談社文庫 ★★★☆☆

過去に危険な仕事をしていた、今は平凡なオルゴール屋の男に再び仕事が持ち込まれる。
企業競争を背景に、男はたった一人で戦いを挑む。

徒党を組まない男のかっこよさ、精神力の強さイコール男の強さ。
そんなものを思う存分味わせてくれる作品。

相変わらず、小気味良いリズムで楽しませてくれます。

心が高ぶる一文
「人間ってのはな、理屈を並べるだけじゃ駄目なんだ。躰を張れるかどうかで、本物かどうかよくわかる」
ラブリー・ボーン アリス・シーボルド著 片山奈緒美訳 アーティストハウス ★★☆☆☆

帯には
「全米250万部突破!」
「2002年に世界でいちばん売れた小説」等々。
全米ベストセラーらしいです。

レイプ殺人にあった女の子が天国から、残された家族の悲しみや崩壊、成長、そして愛を見守っていく物語。

正直なところ、あまり物語に入っていくことはできませんでした。
僕自身にとってレイプ殺人というあまり身近な題材ではなかったこともあるでしょう。
いや、この物語のような状況を見たくないという気持ちが強いのかもしれません。


すこし辛口でした。
恋愛寫眞 もうひとつの物語 市川拓司著 小学館 ★★★★★

大学入学後知り合った誠人と静流。
二人の出会い、突然の別れ、そして… 悲しい再会。

読み始めた時の率直な感じは、初期の村上春樹作品ににているな、といった軽いものでした。
淡々と物語りは進行していきます。
ところが、物語後半になるにしたがってどんどん作品の中に引き込まれていきます。

そして意外なラスト。
涙を流している自分に気づきました。

本を読んで涙を流したのは初めてです。

中年のおっさんが本を読んで目を真っ赤にしているなんてかなり不気味ですね。
このブログを書きながら、もう一度ラストを読み返して、また涙腺が…

作者のプロフィールをみたら僕と同年代でした。
黒いドレスの女 北方謙三著 角川文庫 ★★★☆☆

ある日突然現れた黒いドレスを身にまとったレイ子(漢字が出てきません)。
彼女をめぐって起こるトラブルを解決しようとする男たちのミステリーチックなハードボイルド。

ハードボイルド作品ですが、この卵はやややわらかめにできあがってます。

登場人物に小夜子という女性がでてくるのですが、僕のお気に入りです。
「自分を試してみることにするわ。馬鹿なことをして戻ってくる男を、どこまで本気で待てるかってね」
そんなせりふを言える女性を探してみたくなりました。

豆知識
卵の殻でグラスを磨くとキラリと光るそうです。
たった一度だけ…
青春かけおち篇 つかこうへい著 角川文庫 ★☆☆☆☆

もうすぐ結婚する康夫としのぶのかけおち物語。

私はあなたが好き。だけど他の人も好きになってしまったの。愛があるなら私を奪ってよ。私はあなたを愛しているわ。といった世界ですが、今の僕にはいま一つ受け入れられない世界でした。思いっきり不条理なのではなく、変にリアリティがあったりするので、中途半端にシンクロしてしまうのです。

映像や舞台でこそ楽しめる作品なのではないでしょうか。
かけおち先の京都の旅館なんかの場面は特にそう感じます。