司馬先生「花神」17…大鳥圭介…組織の崩壊
大鳥圭介のことは私が花神で探している村医者蔵六がなぜ倒幕戦の司令官に
なったかというテーマに無関係なので書く必要性はないが、別のことを
書きたいために書く。
履歴は播州赤穂の百姓医の出で、緒方洪庵先生の適塾出身というから蔵六と
同門だった。その後江戸へ出て蘭学者として頭角を現し、幕臣として取り立てられたという蔵六と似た履歴を持っている。
それが幕軍の歩兵頭(隊長だろうと思う)になり大阪城で歩兵2万とともに
常駐していたとのこと。
ただしこの歩兵たちは幕臣ではなく、町人出のあぶれ者だったそう。
幕臣の弱さは幕府を守るため命を投げ出す気概はまったくなく、長州征伐時は
早々に隠居届を出す臆病者で、慶喜もまったく期待していなかったとのこと。
慶応2年から3年のこの時期、旗幟を鮮明にしているのは討幕派は薩摩と長州で
佐幕派は会津・桑名のみ。他藩は茫然としている。大藩の加賀・尾張・紀州
芸州浅野も意思を明確にしていない。普段から考えてない結果だろうな。
不気味なのは佐賀鍋島のみ。
さて下巻p278 勝海舟による江戸城無血開城後、幕兵たちは散っていったが
誰を指揮者にするかで大鳥圭介が出てくる。
なぜ大鳥なのかは不明と先生は書かれている。子孫曰く「かつがれた」とも
書かれている。履歴がものを言ったんだろうな。
下巻p288 幕府の歩兵どもが大鳥を寺で待っている。
「圭介が来やがったからもう大丈夫だ」と言ったと書いてある。
この物言い…
上を上と思わず権威を権威と思わぬものの出現という書き方をしている。
ここ大事。現代社会も同様のことが起きていると私は思っている。
ここ数年前からハラスメントと声高に叫ぶ輩の多い事よ。
会社内で上司はビビり、両手揉み手で部下に仕事を依頼し、部下は高慢に
なって「嫌な仕事はしない」と言う。人を信頼することももうなく
誰もが言葉も発せず、様子を窺っている。同僚へメール送るのに○○様なんて
つけてる。もう組織は崩壊している。どいつもが安っぽい屁理屈を言うから
何も言えない。組織は…崩壊している。誰も責任を取らない。覚悟もない。
日本が壊れていってる。