司馬先生「花神」14…時勢という神様の意思
いよいよ下巻に入ったが、ちょっと一言。幕府の長州討伐戦のひとつの
小倉口の戦いで、幕府の指揮官は小笠原長行(ながみち)という人で
下巻p10 この人は幕府の要職を歴任した履歴で、幕閣の歴史で教養人
のトップの威厳のある人物と書いてある。周囲の期待も高くこの人なら
大丈夫という人だったが、「ニセモノだった」と書いてある。
なんと単身戦場から逃げちゃったって。
石州の戦いの紀州家と同じく、戦場離脱の指揮官。
エリートなのに…これ現代なら東大の教授とかその道の大家とか経団連の
会長だとか肩書の立派な人たちなんだろうが。履歴が立派でも現場が違うと
こうなるという例。また覚悟がないんだろうな。要は覚悟、次に勝つための
戦略だろうが。悲しいほど幕府に人材がいないのはなぜか…組織が大きく
古くなると必ず起きる問題なんだろうな。それを現代社会はどう対処すれば
いいのかな。大企業が中卒を雇えばいいのか…そんなことじゃないわな。
でもヒントになる骨柄がひとつ…私欲がない事らしい。蔵六もかの岩倉具視も
小五郎も、この時期の多くの人物たちは私欲がないと言えるかもしれない。
ただただ国家のため、日本のため。今の時代にも絶対いると思う。
他にも必要な気質や才能があるはず、例えば将来への洞察力、命なぞ屁とも思わぬ
胆力・覚悟…もっと知りたい。
ここで別の動きも書いておく。長州は幕軍に勝ったが、それだけで幕府が
滅んでわけでは当然なく、別ルートの暗躍があった。それは薩摩と岩倉具視らの
動きであるんだが、詳細は花神を読めばいいから省くが下巻p41に司馬先生が
長州が勝った理由を書いているのでここに書く。
①攘夷という思想:当初単純な危機感からふくれあがってやがて民族主義的な
広がりを見せた。階級に関わらず。
②長州藩人民は上から下まで元々防長二州の出身である:結束力が高い
③金持ちだった。新式兵器が買える資金が豊富
④村田蔵六の存在
以上だが…あぁそうなのかという感想…もっと迫真に迫る理由が欲しかったが。
でもこれらをまとめるとやはり時勢なんだろうな。当時幕府はフランスから
500万ドルだったか借りて装備を充実する案があったと先生の小説のどっかで
読んだが、勝海舟がそんなことしたら日本人はフランスの奴隷になると反対して
終わったらしいがやはり攘夷をしなければ日本は滅びるというのは多分ほんとで
それに対し古い体制である幕府ではだめで、新風を吹き込む必要があったわけで
それを長州や蔵六が選ばれた。誰の意思か…といえば神様なんだろうな。
結論はそれで蔵六の才能とか長州の状況とか認識とか理由はつけられるが
やはり神様なんだろうな。でも多くの犠牲があったわな。それもやむを得ない
んだろうな。でもこういってしまうと身もふたもないけどな。
上記4つの理由を現代に当てはめると①は移民問題だと思う。
②③はいいとして④はな、誰かいるんだろうな。あるいは組織か…
でも日本人の感覚、意識、国を守ることが自分を守ることだという意識が
幕末より圧倒的に低い今、神様の意思は日本を守ってくださる側にいるかというと
大きく疑問だな。今度こそ滅びるんじゃないか。