司馬先生「花神」6 国家を変えるパワー②技術革新
政治を変えるってよく聞くが、軽い言い方だと思っている。
実は日本人全体は大変革を望んでいないことはだれもが認識していることだと
思う。花神中巻p156にも書かれている。
「社会生活者というものの心理も理性もつねに現状維持もしくは多少の改善を
のみ好むものであり、足元の崩れるような大変革は望まない」ってね。
今の暮らしを継続したい、物価を安くして、給料を上げて、政治の事を
庶民に向かわせないでって…な。これ相当わがままです。
世界が安定していればまだいいが、各国生き残りをかけて戦っている今の
状態で、さらに輸入大国である我が国が外国の思惑に翻弄されるのは必然であり
それが国民生活に直に影響されるのは政治の責任でもなんでもない。
至極あたりまえのことだわな。
それを無責任に政治が悪いって言ってるやつは相当頭が悪い証左だな。
こういう奴の反論は「いや国は国民生活を守るのが仕事だ」ってね。
それに対する反論はいくらでも持っているな。
本題に戻り花神を読みつつこの本題につながるであろう先生の話を模索
している最中なのだが、もしかしたら関係するかもしれない事として中巻
p184 鉄砲が伝来してあっという間に日本中で生産された、さらに性能も
上がっていった…ということから日本人は新しい道具が大好きな民族らしい。
便利で性能の良い、普遍性の高い物が大好き…なんだろうな。
ペリーが来た時の話で日本人はペリー艦隊の船に乗ると艦内をスケッチ
しまくったとのこと。好奇心旺盛なんだな。新しい物、文化、技術が大好き
ってまぁ同じ日本人として分かる気はする。もう一個強烈な先生の言葉
蒸気船が日本に来て日本人は「うちでも造ろう」として薩摩、宇和島、佐賀の
三藩が実際に造ったのだが、先生は言う「蒸気船が日本に来るまでほかの国も
それを見たのに造ろうと考えたのは日本人だけだったと。言われてみたら
そうだな。日本人が偉いというのではなく、とにかく好奇心旺盛なのは納得だな。
この好奇心が国家を変えるパワーに必要な要素であると思う。
政治的な意味での国家を変えるではなく、技術や生活向上のためには好奇心は
重大な要素なんだろうな。これでひとつ腹落ちした。
ついでに好奇心による技術革新のいい例を紹介する。
戊辰戦争で会津をはじめとする奥羽列藩同盟は薩長の官軍に負けたわけだが
その理由の一つとして東北各藩は最新兵器を導入できなかったことがある。
ざっと書くとペリー来航によって最新兵器を知った日本人はその導入に
躍起になった訳だが最新事情に暗い日本は欧米の旧式銃を掴まされた。
ここでp187佐久間象山の事を書く。象山は当時の米国銃をしのぐ新式銃を自藩で
作らせ大老井伊直弼に献上したが、なんと井伊は黙殺したとのこと。
井伊大老は技術革新を恐れた保守思想だったんだろうな。
東北各藩も同様で結果は惨敗。いかに技術革新・情報弱者だと未来はないか
よくわかる一例。技術革新こそすべてだな。私もpcやネットの情弱だから
耳が痛い。