剣客商売…助太刀

親の仇を探して30年…仇討ちをあきらめた林牛之助は、同じく親の仇を願う若者

中島伊織に与力する。そして秋山小兵衛先生のおかげもあって心願成就して…

伊織は仇を討つ。

 

その翌秋 林牛之助は忽然と世を去る…

 

牛之助はその生涯を終えるとき、秋山小兵衛先生父子と医師小川宗哲そして

中島伊織を前にして

「私は最後に幸せを得た思いがいたします」とうれしげに言った。

 

仇を探して30年、雨の日、風の日、雪の日も探し歩き、春の桜を愛でる余裕も

なく、過酷な夏にもうだめだと心がくじけることもあっただろうな。

「俺の人生なんだったんだ」って思うわな。

悲しく、切なく…人生の終わり方を考え始めるわな。

そして絶望して、同じ目的で人生を歩む若い男 中島伊織に出会い

この若者に自分のできなかったことを託すことになる…

そして若者の目的を達成に与力でき、さらに

秋山先生をはじめとする人格者と知り合えた、その喜び…

 

「私は最後に幸せを得た思いがいたします」

人生の終わりにこんな事言えたらいいね。

人生に目的があった場合、達成できなかった時どんな気持ちか…

私ごときに分かるわけないが、ほとんどの人は目的もなく、あるいは

あきらめて、あるいは忘れて生を終えるんだろうな。

 

人の人生、他人にはわからない多くの苦悩があって、他人に理解されるわけもなく

理解されても…大した意味もなく…悲しいな。

この世は修行だな。

でも悲しいな。本の内容だけではなく、今の世が…な。