この小説も読んで「あぁ日本人でよかった。なんと昔の人は美しかったのか」と感慨深くなる。

逆に己のぶざまさに気が滅入るな。文庫本のP315

「主米。おれはな、此頃、つくづく悟ったことがあるのだよ」

「はぁ…?」

「それはな、人間はというものは、百年と生きられなぬものだということなのだ」

 

「おれ達の一生が、おれ達の後に続く人々の一生を幸せにもするし、不幸にもする。

主米、はたらこうな」

 

ため息だな…その通りなんだな。自分の父母が、祖父母が、ご先祖様が未来の子孫のために

一生懸命働いてくれて、貯蓄をしてくれて、心配をしてくれて、基礎を作ってくれて今の私がいる。

肝に銘じなければいけないことを当たり前のような気でいたな。

両親に孝行もせず、当然のようにお金を出して頂き、食べさせてもらって、学校へ行かせていただき

てめえ一人で育ったような気でいた鈍感な男だったな。しかしこの恩田木工の言葉を私が20代の頃読んだとしても

私の心には残らなかったろうな。鈍感だからな。

「主米、はたらこうな」…あぁいい言葉だな。私の残りの人生、一生懸命はたらきたいな…

 

それから亡き両親に土下座して謝りたいな。

…というような述懐を人にしたら「親は許してくれてるよ」って…そんなこと他人に言われなくたって

分かってると思ったな…しかしその数年後 人にそんな述懐をする私が間違ってることに気づいたな。

そんなこと人に言われたら、そう言うしかないわな。私もそう言うだろうし…いくつになっても私は未熟だな。