初見の方へ:声優のすみぺこと上坂すみれさん、音楽、映画多めの趣味ブログです。

 

1999年がまだ先だった1988年に公開された「1999年の夏休み」。萩尾望都「トーマの心臓」を原案にしつつも大胆に改変。

全寮制の学校の寄宿舎に取り残された、夏休みなのに帰る家のない4人の少年たちを主人公に成長や恋愛に怯えいつまでも少年のままでいたいという自死以外の方法ではかなえられることのないあまりにも無垢な願いを描いた作品。少年たちを女優たち(その1人が現在の深津絵里)が演じたことによってより一層不思議な美しさが加わり、自分が初めて観たのは90年代初めだったが「耽美」「やおい」(当時はBLとは言わなかった)といった単語に反応する層に支持されていた記憶がある。

かなり久しぶりに観たがすべてではないものの細部まで覚えていて、自分にいかに強い印象を与えてくれた作品だったか改めて気づかされた。珠玉の一本ではあるが、同時に観るなら若いうちがベターな作品でもある。当時ビデオテープを貸してくれた女性の先輩に感謝。