2020年12月12日に行なわれた上坂すみれさんと春日太一さんのトークライブ「酔いどれ天使❤」が来週12日(木)までの期間限定で再配信。というわけで少々前に録画してあった「日本のいちばん長い日」をようやく観た。

当時のインスタで同時期の春日さんとの別の対談に言及して

「日本のいちばん長い日(1967)、ほんとにすごくて何度も観てしまう〜!」

と書いていたし、これは絶対に語っているだろうから先に観ねばと思ったので。

 

 
原作は昨年亡くなった半藤一利のノンフィクション。1967年と2015年の2度映画化されたが今回観たのは1967年版。
「玉音放送」による戦争終結が1945年8月15日正午。本作はその前日の14日の御前会議直後の正午からの24時間を「一日」と捉えて「いちばん長い日」として描いたもの。
この24時間内の出来事、具体的にはポツダム宣言受諾のいわゆる「聖断」を受けての玉音放送の準備と陸軍の一部が玉音放送を阻止して本土決戦へつなげるため宮中、宮内省や日本放送協会(今のNHK)に侵入したクーデター未遂(「宮城事件」)がメイン。序盤では数日に及んだ受諾に至る内閣の激論も描かれている。
 
国家の指導者たちの戦争終結への努力という「功」を描いた本作に対しそもそも戦争を推し進めた「罪」があるじゃないかという気持ちは正直禁じ得ない。
ただし、恥ずかしながら岡本喜八監督には詳しくないのだが戦争指導者たちの描写についての岡本監督なりのケジメについては2016年のシネマトゥデイの記事が興味深かったので是非ご一読を。
 
 
いずれにせよ未曾有の惨禍を招いた皇国日本の終焉とそれに対する最後の悪あがきという忘れてはならない歴史の一つの断面とそこに絡む人間ドラマとして最初から最後まで凄まじい緊張感に満ちている。
史実に基づく優れた作品は「結末はわかっていてもなお目が離せない」ものなのだ。
これだけであの戦争、あの時代のすべてがわかるわけでは無論ないがそのための一助となるのは間違いない作品。
さて上坂さん、春日さんは本作をどう語ったのだろうか?