2019年のアメリカ出張時のフライトで前の席の人が面白そうなゾンビ映画観てるな~と思った・・・

のに日本公開時には見逃してしまった「デッド・ドント・ダイ」をようやく観た。

出演者は豪華(ミュージシャンも大勢出ている)なのに謎な結末も含めて実にふざけた内容の楽しいゾンビ・コメディ。

 

 

 

出演もしている異色のカントリー・ロック・シンガー、スタージル・シンプソンが歌い作品中でもしつこいぐらい繰り返し言及されるテーマ曲。

 

 

ジム・ジャームッシュ監督作を併せて2本観た。

「ミステリー・トレイン」(1989年公開)

グレイスランドやサン・スタジオ詣でのために横浜からメンフィスにやって来た日本人カップル(工藤夕貴&永瀬正敏)が主人公かと思ったらその2人だけではなくて同じ夜同じホテルに集った宿泊客たちを描いた3部構成。その中には故ジョー・ストラマー(ザ・クラッシュ)や「デッド・ドント・ダイ」にも出てたスティーヴ・ブシェミも。ホテルのフロントはスクリーミング・ジェイ・ホーキンスだし、エンドロールで流れる「ミステリー・トレイン」を歌うルーファス・トーマスも出演。

一応事件は起きるものの事件そのものよりも人間模様がメインの不思議な味わいの作品。

順番的にはこれが初めて観たジャームッシュ作品。

 

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(84年公開)

NYに住むハンガリー系アメリカ人のエディーの家にいとこのエヴァが泊まりに来た1年後、今度はエディーが親友のウィリーとクリーヴランドのおばさんを訪ねていきエヴァと再会。3人はフロリダへ向かうがそこから更に・・・。

スクリーミング・ジェイ・ホーキンスが劇中やエンドロールで流れる。「ミステリー・トレイン」への出演といいジャームッシュのお気に入りなのだろう。

いかにも映画らしいよどみなく読まれるセリフとは対極のぎこちなさすら感じさせる生々しい会話、そしてハンガリー系ゆえのアメリカに馴染み切れていない根無し草感。後年のウォン・カーウァイ作品を思わせるものがある(影響を与えたのかも)。

タイトルの「ストレンジャー」は「(楽園)よりも奇妙な」という比較級だが名詞の「ストレンジャー=異邦人」とかけているのかもしれない。淡々としてかつこの3作品のうち明らかに最も低予算ながら最も印象に残った1本。

他のジャームッシュ作品もおいおい観ていこう。