ここのところずっと続いている湿気。8月はもっと太陽の存在感が強くて、からっとした陽気な筈なのに…。文句を言っても始まりませんが、困るのが朝の坐禅のとき。体がだるくて坐っている最中に眠気に襲われる。特に低気圧の日のだるさはみんながに共通するもののようで、誰も彼もが眠くなっている感じです。
香林院の坐禅は朝7時からで、間に5分の休みを挟んで25分を2回坐ります。先日、低気圧ばりばりの鬱陶しい朝でしたが、1回目のあとに壁際の方に移動した人がいたのですね。するとその人、2回目の坐禅が始まると、あきらめたように壁に頭をくっつけて寝ていました!眠気と闘う中、視線が一カ所に定まらず、上下に動かしたらその姿が目に入ったのですが、 何て言うのでしょうか、ある意味解放されていて潔くていい、と感じました。その場にちょっと似合わないことをするときには…こういう「潔さ」がカギですよね。どうでしょうか?
とは言っても、実は自分自身は眠くなりたくない。そこで試してみたのが、吐く息と吸う息の長さを調整することでした。とても簡単な方法ですが、効果は抜群。これまでどうしてやらなかったのだろう?という感じ。この方法、「息を強めに吸い込み」「吐く息を短めにする」だけです。
呼吸の働きは自律神経系が担っていますが、これは交感神経系と副交感神経系の2つで構成されています。自律神経の特徴は、自分の意志とは関係なく勝手に働くこと(内蔵を動かすものなので、そうでないと困るのですが)。だだ唯一、呼吸だけはこの神経系に直接働きかけることができます。
「瞑想時の呼吸はゆっくり」「1分間に1回の呼吸が理想」などとよく耳にしますが、1分に1回ぐらいの呼吸だと、副交感神経系が優位になって、リラックスを通り越して眠くなることもあります… もともとだるい日は特に。そういうときには吸う息を強めにして、少し早いペースで呼吸をした方が交感神経が働き、頭がしゃっきりします。逆に、リラックスしたいとき、眠りたいときには、息を長めに吐くゆっくりな呼吸がいいわけです。
こういう話は、実は人にはよくしているのですが、自分の坐禅で使うのをすっかり忘れていました。このシンプルな呼吸の調整はわりとうまく行っていて、以前より覚醒していられるようになりました。
目覚めたいとき、気合を入れたいとき→息を長めに吸う早めのペースの呼吸
緊張をゆるめたいとき、リラックスしたいとき→息を長めに吐くゆっくりな呼吸
この呼吸は、いつでもどこでもできます。呼吸に意識を向けることは、瞑想への入り口でもあります。ぜひやってみてください。
YUKO