医療事故の原因で多数を占めるのが注射薬です。
一般的な内服薬は胃を通過し小腸で吸収されます。その後肝臓で代謝をうけ、血中にはいったものが効果を発揮します。
ほとんどの薬が吸収と代謝の過程で100%の量が血中にはいっていきません。
それに対して、注射薬は静脈内注射を例にとると、直接血中にはいることから作用は直ぐに、量は100%入ります。
どれほど注射薬が効果があるかが分かると思います。
ただし、使い方を誤ると、注射薬は大変危険な薬となります。
血中にはいってしまうことから、「あ、しまった!」じゃ済みません。
注射薬は効果が大でリスクも大ということです。
さて、今日はずいぶん前は事故が多かったカリウム製剤についてです。
現在はカリウム製剤の危険性からメーカーもパッケージを考慮したり、病院側の対策もされているので、最近はエラーがあったというニュースもあまり聞きません。
カリウム製剤は、血中カリウム濃度を上げる薬です。
心臓はドクンと拍動をするのに、細胞膜の電位差によって脱分極(電気信号)が起こり収縮を起こします。
通常、カリウムは細胞内が高く、外が低いため、それが電位差となるのです。
カリウム製剤によって細胞外カリウム濃度が高くなると、電位差が少なくなり、不整脈を起こした結果、心停止となってしまうのです。
カリウム製剤こえーと思うかもしれませんが、ポイントだけ抑えておけばOKです。
要は、カリウムが一気に入らなければよいのです。
カリウム製剤の用法は以下の通りです。
1.電解質の補正用製剤であるため、必ず希釈して使用する(カリウムイオン濃度として40mEq/L以下に必ず希釈し、十分に混和した後に投与する)。
2.ゆっくり静脈内に投与し、投与速度はカリウムイオンとして20mEq/hrを超えない。
3.カリウムイオンとしての投与量は1日100mEqを超えない。
ということは一般的なカリウム製剤は1本10mEqですから1本250mLに溶解して、30分以上かけて投与すればよいということですね。
ところで、腎機能が低下しており、あまり水分をいれたくないと医師より要望があった場合どうしたらいいでしょうか。
邪道ですが、時間あたりのカリウム量を抑えればよいのです。
10mEqを100mLの生食で溶解するとしましょう。これを30分以上かけて落とせば時間あたりに入るカリウムの量は変わりません。
このやり方を紹介すると、それはダメでしょうとか病棟から言われたこともありますが(;´∀`)
医師と2人がかり看護師さんに納得してもらいました(*^_^*)
まぁこのやり方をやるときは自己責任でお願いします。
点滴時間には要注意です。
その他のカリウム製剤のポイント
●経口カリウム製剤は過剰分は排泄されるので、あまり心配はないが、腎機能低下例では要注意すること
●病棟の常備には極力おかないこと。もし病棟に配置する場合は希釈用の輸液とセットで置く
●カリウム製剤にワンショット禁止・要希釈使用の札を付けて注意を喚起する

今日のまとめ
1.注射用カリウム製剤は必ず希釈し、時間をかけて点滴すること
2.カリウム製剤をワンショットで急速静注すると心停止を起こす可能性が高い
3.職員に周知徹底が大事、誰でもわかるように注意喚起を行う