国家試験にうかっても終わりなき勉強が必要です。
薬理学もそのうちの一つです。
我々薬剤師も、新しい薬が出るたびに覚えることが増えるので大変です

さて、昨日病棟にいたところ、声をかけられました。
看護師「最近うちにはいったジャヌビアって、新しい薬ですよね。なんか低血糖になりにくいとか聞いたんだけど、どうやって効くの?」
看護師「あー、難しいね・・せっかく説明してもらったのによくわからないや(´・ω:;.:...」
私「簡単にいうと、食事を摂らないと効果がでない薬なので、低血糖にもなりにくいってわけ」
看護師「なるほどっ、でもちゃんとした仕組みもしりたいな(にやり)」
私「わかりましたヽ(;´Д`)ノ」
ということで、一個人のために、図をつくりましたよ・・( ゚д゚ )
で、せっかく作ったのにもったいないので、こちらにもアップします(笑)
今日ご紹介するのはDPP-4阻害薬についてです。
DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼー4)阻害薬はインクレチン関連薬の一つです。
インクレチンは、栄養素(グルコース)が消化管から吸収される際に、血中に分泌されます。つまり、グルコース濃度依存的にインスリンを促す腸管ホルモンです。
インクレチンは役目を終えたら、DPP-4という酵素によって分解されて失活します。
そのDPP-4を抑えることによってインクレチンの作用を増強するのが、DPP-4阻害薬です。
DPP-4阻害薬の特徴
●グルコース濃度依存的に血糖降下作用するため、低血糖を起こしにくい
●単独投与においてHbA1cを1%程度低下させる
●膵β細胞を疲弊させにくい
●体重増加作用がない
図の赤い矢印を追って見てください。
通常のインスリン分泌は、血中グルコース濃度の上昇によって、ミトコンドリア内でATPが産生され、それにより膵臓のβ細胞のATP感受性Kチャネルが閉じます。それによって細胞膜脱分極が起きあます。その結果カルシウムチャネルが開き、カルシウムが流入することによって、インスリンのエキソサイトーシスがおこり、最終的にインスリン分泌が起こります。
次はピンクの矢印を追って見てください。
腸管にグルコースがはいってくることにより腸管からインクレチンが分泌されます。膵β細胞のインクレチン受容体に結合することによって細胞膜内cAMPを上昇させ、インスリンのエキソサイトーシスが起こり、インスリン分泌となります。
このようにインクレチンによるインスリン分泌はよく知られているルートとは別のルートを使います。
SU剤(スルホニルウレア剤)もインスリン分泌を促す薬剤ですが、ATPを介することなくKチャネルを閉口し、カルシウムの流入を促進します。
つまりグルコースの濃度に関係なく、効果を発揮するのです。
SU薬を服用したのに食事を摂っていないと低血糖を起こす理由がわかりますね。
DPP-4阻害薬はインクレチンの分解を抑える薬であるのですから、そもそもグルコースが腸管内に流入し、インクレチンが分泌されないと作用できないわけなので、低血糖になりにくいという理由がわかるかと思います。
この両者が作用する場所を図にしてみました。
SU薬がオレンジの矢印。DPP-4阻害薬はピンクの矢印でそれぞれ示しています。
このように、この二つの薬は作用機序が異なるので、血糖降下作用も相加効果があり、とても有用であるとともに、副作用である低血糖のリスクも増大します。
DPP-4阻害薬は単剤では低血糖を起こしにくいですが、SU薬との併用でSU薬単独よりも低血糖を起こす率が増すことを覚えておきましょう。
今日のお話でここ一番大事ですm9( ゚Д゚) ドーン!

今日のまとめ
1.DPP-4阻害薬はグルコース濃度依存的に血糖降下作用を示すため、低血糖を起こしにくい
2.DPP-4阻害薬はSU薬とは異なる作用機序をもつため、併用により相加効果がある。
しかし、副作用である低血糖を起こしやすくなるため、SU薬を減量するなどの調整が必要。

