
効果を発揮するために目的の臓器や組織に移動する必要があります。
インスリン分泌促進薬なら、すい臓ベータ細胞、利尿薬なら腎臓や尿細管、といった感じです。
体循環に入った薬物は血液によって全身に運ばれます

血液中で薬物はほとんどが血漿タンパク(主にアルブミン)と結合した状態で存在します。
それを蛋白結合型と呼び、逆に結合していないものを蛋白非結合型と呼びますが
まぁ名前なんぞどうでもいいでしょう(笑)
薬物は非結合型状態(つまり薬物単独、フリーの状態)でなければ細胞膜を通過できません。
よって組織に移行し可能な、非結合型薬物が多い薬物ほど薬理作用が強いということです

蛋白結合部位は数に限りがあります。以前にお話しした椅子取りゲームと同じ考え方ですね。
ある薬剤がAという部位に、結合するとします。異なる薬剤を投与したときに、A部位に優先的に結合してしまうと、最初の薬剤の非結合型が増えてしまうことがあります。
(シルバー席に座ってたら、お年寄りが乗ってきて、席を譲ってあげた~みたいな感じです)
その結果作用が強くなりすぎて、副作用がでやすくなります。
このようにタンパク結合は有名な薬物相互作用のひとつとして覚えておきたいです。
例えば、アスピリンとワーファリンの置換などが有名です。
他にもジアゼパム、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバール、テオフィリン、カフェインなどがあります。
また、栄養状態の悪化や加齢などによりアルブミン値が低下している患者さんでは、同様に非結合型が増加するので作用の増強に注意が必要です。
以下は薬物の分布において、大事な知識です。
簡単にまとめてます。
血液脳関門(Blood Brain Barrier:BBB)
脳というのは呼吸を整えたり、運動をつかさどっていたり、血圧やホルモンなど様々な役割を担う臓器であるため、簡単には外界から異物を脳内に取り込まない仕組みとなっている。それがBBBである。
膜を張っていることから細胞膜を容易に通過できることが条件となっているため、水溶性薬物では難しく、脂溶性薬物のほうが通過しやすいという特徴がある。
睡眠導入剤などは脂溶性薬物である。
水溶性のものであってもトランスポーターの存在により通過できるものもある
血液胎盤関門
BBBと同様に胎児の生命維持のために容易に通過させないためのバリアがある。
これもBBBと同様で脂溶性薬物であり、分子量が小さいものが通過しやすい。
すなわち、睡眠薬やアルコールなどは通過しやすいため注意が必要となる。
副作用を防ぐためにもこれらのバリアを通過できない製剤化が多くの薬剤でなされています。
しかし、精神病薬やパーキンソン治療薬、睡眠導入剤など脳内で作用する必要がある薬剤は積極的にBBBを通過する必要があるため、同様のバリアをもつ胎盤関門も通過しやすいため脳内移行薬剤は原則さける必要があることが分かると思います。

今日のまとめ
1.多くの薬剤は血中タンパクに結合した状態で各組織へ輸送される。
2.タンパク結合をする薬剤同士を併用する場合、タンパク結合率が低下し、作用が増強する可能性がある。
3.BBBや血液胎盤関門は脂溶性薬剤など脳内作用薬剤が通過しやすい