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クスリのはてな

現役薬剤師が語る、薬の正しい使い方とは。間違った知識があなただけでなく、患者さんを苦しめることになります。このブログでは主に看護師や介護士の方を対象にしていますが、一般の方や薬剤師の方も読んで頂きご意見があればお願いします。

薬物を効果的に使用するためにPK/PD理論を元に用法用量を設定する必要があります。
PK/PDとはを薬物動態学 (Pharmacokinetics, PK) と薬力学 (Pharmacodynamics, PD) を組み合わせにより解析することです。

噛み砕いて説明すると
薬物動態学は、投与~血中に移行 作用後~排泄を考える学問
薬力学は血中移行後の作用に関する学問
です。

抗生物質を投与する際は
PKはAUC(血中濃度曲線下面積⇒薬物血中移行量)
PDはMIC(最小発育阻止濃度)で考えます。

抗生物質の種類によって使用するパラメータが異なります。

黄色い花濃度依存性抗生物質
ニューキノロン系、アミノグリコシド系
以下の2つのパラメータを重要視します。

Cmax/MIC
Cmaxは最大血中濃度なので1回の投与量を増やせばCmax/MICが高くなることがわかると思います。

AUC/MIC
AUCは薬物の総移行量をあらわすので、薬剤投与量に依存する値です。
AUC/MICが目標値に届かない場合には投与量を増やします。

クラビットが250mg、500mgの錠剤になった際に従来の1日3回ではなく1回に用法が変わりましたよね。
これはこの理論を元に設定されています。
前によく勉強している看護師さんから、
「シプロキサン注っていつも1日2回だけど、1日1回のほうが効くんじゃない?」
と言われたことがありました。

確かにその通りですが効果も高くなりますが副作用もでやすくなることを考え1日2回にしてあるようですと伝えました。(前にメーカーに聞いたことがあったので)
特にアミノグリコシド系は腎機能障害や聴力障害の原因ともなるので慎重に投与しなければなりません。

黄色い花時間依存性抗生物質
ペニシリン系、セフェム系、セファロスポリン系、カルバペネム系、バンコマイシンなど

これらの薬物は血中濃度が常にMICを上回っている必要があります。

血中濃度を維持するために1日4回とか投与するほうがよかったりします。
が、業務的に見ても無理が生じるので、当院では1日3回で投与されてたりします。

もちろん腎機能が低下している患者さんでは1日2回でも十分です。

以前にいた病院で
1日2回の指示がでていて、何時に投与したらいいですか?
と聞かれたので
9時、21時とか12時間あけたほうがいいですって答えたら
苦い顔されました(笑)
一応根拠があるんですが、抗生物質の投与は何人もいるので準夜、夜勤の人数では無理といわれました(;´▽`A``

日勤でたくさん人数がいる時間の10時16時とかでそのときは投与となりましたが
PK/PD理論からいくと1日2回なら12時間。3回なら8時間毎の投与が望ましいので
できるだけ近づけるように心がけてくださいキラキラ