国際線で帰って来ると、入国検査場、バッゲージクレーム付近に犬をみかけることがあります。

結構可愛くて、つい頭をなでてやりたくなりますが、ご存知の通りあの子たち、勤務中なのです。

 

犬の嗅覚は人間の3000倍から1万倍、特定の匂いには100万倍くらい敏感なのだそうで、その特性を活かして、厳しい訓練を経て任務についています。

麻薬などの違法薬物、銃器、爆発物などの探知にも活躍していますが、最近、一番おなじみで、一般人でもお世話になってしまいがちなのは、動植物探知犬。ズルして持ち込み禁止の肉や果物などをこっそり持ち込むと、見つかってしまったりします。相手はプロ、厳重に包んでビニール袋にいれてもだめ、香水でごまかそうとしても、すぐバレてしまいます。

 

そして今年の8月から成田空港に新しい仲間が増えました。

その名は紙幣探知犬。100万円を超える現金をもって入出国する場合は申告が必要ですが、マネーロンダリングなど違法取引をするヤクザ、札束ばらまいてもてようとするオヤジなんかが、隠し持っているとワンコに御用になるというわけです。

 

このワンコたちは、日本銀行にて研修を受け、新旧1万円札の臭いを覚え、また、海外研修でドル紙幣、ユーロ紙幣なども学び、現場に配属されます。まだ頭数は少ないですが年収1千万円はくだらないだろうといわれるエリートワンコで、将来は税務署にも勤務するという華麗なキャリアパスが用意されています。

 

隠し持っているのを発見すると吠えついたりするのではなく、その場で座り込みます。これを合図に怖い税関のオジサンが持ち主を追求するわけです。

でも、犯罪絡みのやましいお金じゃないなら、札束もっているのがバレちゃったなんて、ちょっと自慢話のネタになりますね。

 

今日も空港では、それぞれミッションをもったワンコたちが、大勢動き回っています。

そうした中、挙動不審な人がいました。犬を見かける都度、避けようと逃げていきます。

怪しんだ職員が追いかけて審問しましたところ、ガタガタふるえています。

ますます怪しいので別室に連れて行かれ、荷物から衣服まで全部検査。みつからないので問い詰めたところ、怖いんです、私。子どものときに噛まれてから犬が大の苦手。みんな、可愛いなんて言っていますが、私は空港に行くたびに死ぬ思いです。

 

*****

タワゴトにお付き合いいただきありがとうございました。

明るいウソをモットーとしています。万一どなたかを傷つけるような内容があったらご指摘ください。

たまには旅行にいくようにしています。海外一人旅など記録を、「ついでにちょっと旅」に残していますのでよろしかったらご笑覧ください。