以前、イギリスの郊外に旅行したとき、人々が牧場の中を勝手に入っていくのを目にしました。

「歩く権利 right of way) 」とか「通行権」という権利がみとめられていて、国有地・私有地の区別なく「パブリックフットパス(Public Footpath)」として通行することが認められているのだとか。

昔からその土地が公衆の道として使われていたのであれば、その道を誰もが自由に通り抜ける権利があるとういうものです。 全部が全部そのパブリックフットパスとして認められているのではなく、何らかの標識で示されているようですが、全国に20万キロくらいあるのだそうです。

 

北欧にはもっと面白い制度があるようです。

「自然享受権」というもので、土地の所有者に損害を与えることなく、植物や動物に敬意を払って行動する限り、すべての人にあらゆる土地への立ち入りや、ベリー摘みやきのこ狩りなど自然環境の享受を認めるという、北欧に古くからある権利なのだそうです。

 

日本でも山なんかに行って、キノコをとったり、ワラビなど山菜をとったりしますが、本当は勝手に取る権利はありません。地元の人にとっては、いわば入会地みたいなもので、私有地でもお互い納得ずくなので良いのかもしれませんが、都会から行って、勝手にとるのはトラブルのもと。ワラビなんかは雑草みたいなもなので大目にみてくれるでしょうけれど、松茸や筍なんか勝手にとったら、警察沙汰にもなりかねません。

 

私は都会育ちなんですが、子供の頃、近所の庭に植わっているびわ、グミ、ニワウメ、ヤマモモなんか、盗み食いしていました。皆やっていました。さすがに柿の実は食べるために育てていたのでとったら泥棒と叱られましたが。

 

今では、見なくなりました。世知辛くなったというより、子どもたちがハングリーでなくなったためでしょう。

でも、私、時々童心に戻ってしまいます。

散歩していて、キンカンなんかが家の人も獲らずにたわわに実っていると、一つくらいと、つい口に入れたりします。のどが乾いたとき美味しいんですよね。でも「自然享受権」というには無理がありますね、癖になるとだんだんエスカレートして、そのうちには捕まるのではと、この悪癖、自制しなければと思っています。

 

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