東京都写真美術館で開催中です。
映画の上映会もあります。
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代表作『ヴァンダの部屋』(2000)は、リスボンのスラム街で暮らす女性の過酷な日常を映し出し、新たなドキュメンタリー表現として日本でも大きな反響を呼びました。このようにコスタの映画は、暗闇と光の強いコントラストや、静謐かつ緻密な画面構成のなかに現実の断片をすくい上げ、社会構造に鋭く切り込みながら、新たな視座を提示してきました。
本展のタイトル『インナーヴィジョンズ』は、コスタが10代の頃に出会い、強い影響を受けたスティーヴィー・ワンダーの同名アルバム(1973)に由来しています。音楽を通して社会と個人の関係に向き合おうとしたこのアルバムの精神は、コスタの映像制作の方法論とも深く響き合っています。
1階ホールでは、コスタ自身が選定した映画を紹介する「カルト・ブランシュ」や、代表作の特別上映も予定しています。映画の持つ力とペドロ・コスタの映像世界の奥行きを、新たな角度から体験いただけます。