以前ピュー・リサーチ・センター( Pew Research Center)が2017年11月に公表した調査結果<ヨーロッパで増え続けるイスラム人口>を紹介したことがあります。

この結果はメディアなど各所で使われているので目にした方も多いでしょう。

 

実はスイスは結構ムスリムが多く、2016年には6.1%、もしこのまま移民がゼロでも2050年には8.2%、移民が増え続けると2050年には12.9%となる予測があります。

 

ブルカ着用禁止、スイス人の4分の3が支持(2018年1月)という記事を見てもイスラム教徒が議論の的になっていることがわかります。

 

既に教師は禁じられていましたが、今度はジュネーブの公務員宗教シンボルとなるもの(ヒジャブなど)を着用することを禁じられました(2019年2月)

 

欧州のテロは91%がイスラムテロです。(2019年4月)

2000年から2019年の間にEU内でテロの犠牲になったのは753人だとフランスのフィガロが報じています。同時期EU域外でイスラムテロの犠牲になったヨーロッパ人(観光客や軍人を含む)は1,115人います。

すべてのテロ被害者の内91%が急進的なイスラム原理主義者の直接行動によって殺されていて、20%は自爆テロによります。

逆に、政治的な極右と極左によるテロの犠牲者は13人でした。

ユーロポールによると、2017年ヨーロッパは約205件のテロ計画に直面していて、うち107件英国だったということです。

 

イスラムが入り込んだ欧州には大量のテロリストがいて、彼らが司法の手を煩わせていますが、非常に刑が軽いです。

米・非営利ニュースサイトのプロパブリカに「(出入りの激しい)回転ドアの欧州の刑務所」という記事を寄稿したジャーナリストのセバスチャン・ロテラ氏はその中で、「欧州では活発な情報活動や厳しい反テロ法はあっても、下される懲役刑は多くの場合10年以下。同じようなケースならば米国では20年、あるいは終身刑に値する」と述べている。

クリップテロと人道主義 テロ計画の受刑者釈放、対応をめぐるスイスのジレンマ

 

ダイヤグリーン

 

公共の場でアラー・アクバルと大声で叫んだ男が罰金刑に

 

‘Allahu akbar(アラー・アクバル)’は「神は偉大なり」ではありません。

アッラー(フ)はイスラームにおける唯一神を指す。

またアクバルは「大きい」を意味する形容詞キャビール(kabīr:كَبِير)の最上級の語形であり、「最も大きい」あるいは「最も偉大である」の意となる。

続けて読むことで「アッラー(フ)は最も偉大である」(wikipedia

 

アラーはあなたの神より、政府より偉大となり、これは攻撃的な宣誓で、アラーとイスラムは他のすべての政府、宗教、法律などに対して優位であり、それゆえにイスラム聖戦士が異教徒を殺すときによくこの言葉を叫ぶのです。

 

アラー・アクバルを聞いて怖がることはイスラムフォビアではありません。

混雑した劇場で「火事だ」と叫ぶより「アラー・アクバル」の方を悪くしたのは非ムスリムではなくてムスリムなのです。

 

スイスのSchaffhausen(シャフハウゼン)で、公共の場で「アラー・アクバル」と大声で話した男が警官から注意され罰金となりました。

 

2018年5月、Orhan Eと呼ばれる22歳の男がばったり友人に会ったことに驚いて、大声で「アラー・アクバル(神は最も偉大なり)」と叫びました。

その後彼がトルコ語で友人と話していると、非番の警官がやってきて、「公共の場で大声ではっきりわかるようにアラー・アクバルと叫んだことが人々を不安に陥れた」という理由により罰金を科せられてしまいました。

 

Orhan Eは次のように言って抗議しました。

「私はここスイスで生まれてこのような目に遭ったことは一度もない。宗教の自由がある自由な国に住んでいる。警官の恣意的な振る舞いは受け入れられない。」

 

ところが、市も警官の行動を擁護して、“アラー・アクバル”が禁止用語なのではなく、“アラー・アクバル”はテロリストが攻撃前によく叫ぶため、人々が怖がりショックを受けるからだと述べました。

https://www.jihadwatch.org/2019/01/switzerland-city-upholds-fine-against-muslim-man-for-screaming-allahu-akbar-in-public
 

この件を人種差別だとして告訴するよう検察に求める動きがありましたが、検察は人種差別には当たらないとして起訴しないことに決めました。

https://www.watson.ch/schweiz/schaffhausen/427549967-allahu-akbar-anzeige-in-schaffhausen-war-nicht-rassendiskriminierend

 

ダイヤグリーン

 

母国で死刑の可能性があってもテロリストの国外追放が可能に

 

前出の記事にあるように、テロリストと人道主義のどちらが重要かを迫られるスイスですが、テロリストより国民を守る方へ舵を切ったようです。

 

スイスの国会は、テロリストが母国で拷問や死刑判決の恐れがあっても国外追放処分とすることに決めました。

 

左派の多くは、決定がスイス憲法と“人権と基本的自由の保護のための条約(European Convention on Human Rights)”と“ジュネーブ条約”に違反するとして反対しました。

 

しかし、テロリストの運命よりスイスの安全保障の方が優先するということで、僅差でしたが可決しました。

条文は、服役後もまだスイスにとって脅威となるテロ行為で有罪判決を受けた人物に関するものです。

https://voiceofeurope.com/2019/03/switzerland-to-deport-terrorists-even-if-they-risk-death/