昨日安全保障理事会が開かれると書いたので、行きがかり上、その報道記事を紹介します。

NEWSリビア、国連に武器禁輸解除を要請 ISの脅威増大で 
  2015年02月19日 09:05 発信地:国連本部/米国 AFP

トリポリ集会1トリポリ集会2
トリポリで「リビアの夜明け」を支持する集会に集まった人々の様子(2015/02/15撮影)

2月19日 AFP】リビアやその周辺諸国でイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の脅威への警戒感が高まる中、同国のムハンマド・ダイリ(Mohammed al-Dairi)外相は18日、国連安全保障理事会(UN Security Council)に対し、同国軍が過激派との戦いに使用する武器の禁輸措置を解除するよう訴えた。
※ダイリ外相は国際承認されているトブルク政権側、上記写真の集会支持者は敵側とみなしています。)

 リビアでは、エジプト人キリスト教徒21人がISに殺害され、世界各国から非難の声が上がっていた。ダイリ外相は安保理で「リビアはわれわれの国軍の能力構築を支援する国際社会の断固とした立場が必要だ。この過激なテロリズムに対処するための物資や武器をわれわれの軍が受け取れるよう、武器の禁輸措置を解除することによって、これは実現する」と述べた。

 一方でダイリ外相は、国際的な軍事介入は求めていないと強調した。エジプト政府は、ISが自国民を斬首して殺害したことを受け、ISに対する国際的な軍事行動を求める方針を示していたが、西側諸国が難色を示したために取り下げていた。

 エジプト政府は、リビアへの禁輸措置を解除する国連決議を推進しているが、欧米の外交官らは政治的解決が優先されなければいけないとして慎重な構えを見せている。18日の安保理で採択予定の決議案はない。

 国連は、2011年にムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁政権に対する民衆蜂起が起き、リビアが混乱状態に陥った際に、同国に武器禁輸措置を課していた。
(c)AFP/Mona Salem
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Libya asks UN to lift arms embargo to confront ISIL 19 Feb 2015 アルジャジーラ
こちらも同様の内容を報じていますが、もう少し詳しいので、そこからいくつか抜き出して補足します。

らいんLibya's foreign minister has asked the United Nations to end an embargo on weapon sales to the country's internationally recognised government and help support its army as it confronts the Islamic State of Iraq and the Levant (ISIL) group.

リビアの外相は、国連に対し、国際承認されたリビア政府に武器を売るために、武器の禁輸措置を解除することと、「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)グループ」に立ち向かう国軍(国際承認されたトブルク政権側の軍隊)を支援するように求めました。


らいんMohammed al-Dairi told the UN Security Council in New York on Wednesday that the UN "shouldered a legal responsibility" to help in the rebuilding of Libya's army.

ダイリ外相は、国連はリビアの国軍再構築の手助けをする責任を負っていると述べました。


らいんThe Libyan government is already allowed to import weapons and related materiel with the approval of a Security Council committee overseeing the embargo. 

リビア(トブルク政権)は、安保理武器禁輸監視委員会の承認を得れば、武器や軍需品を輸入できることに既になっています。


らいんDairi said Libya was seeking "support to combat terrorism" and "not calling for international intervention".

"The situation in my country is threatening neighbouring countries in Africa and Europe," he added.

ダイリ外相は、テロリズムと戦うための支援を求めていて、国際社会の介入は求めていないと言いました。また次のように付け加えました。「私の国の状況は近隣のアフリカ、ヨーロッパ諸国にとって脅威となっています。」



らいんAl Jazeera's Diplomatic Editor James Bays, reporting from the UN, said the idea of sending weapons to Libya would be a non-starter for many countries.

"Many at the Security Council table are saying that first you have to deal with the problem of Libya having two rival governments," he said. "And get talks going to create a national unity government."

Libya is awash with weapons, with the country's three main cities - Tripoli, Benghazi and Misrata - largely controlled by militias opposed to the UN-backed government based in the city of Tobruk.


アルジャジーラの外交担当編集者、James Baysは、国連からのリポートとして、リビアへ武器を送るという考えは、多くの国々にとって考慮に値しないとみられていると述べています。

安保理の理事国たちは、まずリビアが最初にやるべきことは、敵対する2つの政権があることへの対処であり、リビアを一つにまとめる政権作りを進めるようにと言っています。

リビアは武器が溢れかえっていて、3大都市であるトリポリ、ベンガジ、ミスラタは国際承認されているトブルク政権と敵対する民兵たち(「リビアの夜明け」)が支配しています。


らいんEgyptian Foreign Minister Sameh Shoukry backed the call for the embargo to be lifted, saying that the international community had a "responsibility to help Libya face its crisis".

Shoukry called on the UN to lift the embargo on Libya's government to procure weapons, to take concrete measures to stop non-government entities, such as militias, in acquiring arms and weapons; and allow other states to help Libya confront the threats it faces.


エジプトのサメフ・シュクリ外相は、危機に直面しているリビアを国際社会は助ける責任があるとして、武器禁輸解除を支持しています。

シュクリ外相は、リビア政府(国際承認されたトブルク政権)が武器を手に入れるため
に武器禁輸解除を呼びかけ、、民兵(トリポリ政権)などの非政府組織が武器を手に入れる手段をなくすための明確な取り組みを求め、困難と闘うリビアを他の国が支援することを許可するよう、国連で呼びかけました。


らいんUN special envoy to Libya, Bernardino Leon, said that ISIL can only be defeated with a united Libyan government in place that has strong international support.

The UN is mediating between the rival factions to get them to forge a unity government and end hostilities.


リビアへの国連特使のベルナルディーノ・レオン氏は、国際社会の強力な支援を受けた統一リビア政権だけがISILを打ち負かすことができると述べています。

国連は、2つの政権サイドが統一政権をつくるよう関係を築き、敵対関係に終止符を打つために仲介をしています。


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