約束
昨日、私はアノ人に伝えたい言葉があった。
『相談がある』と。
でも、アノ人と会話出来るような時間がある訳もなく、メールした所で返信がくるかも分からない。
きっと、いつものようにその言葉も私の心の中にしまいこんで、日の目を見る事なくシコリになっていくんだと思ってた。
でも、なぜか昨日は違った。
人でごった返す事務所の中、私がアノ人の横を通り過ぎようとした瞬間、誰にも聞こえないような小さな声で『久し振り』って言ってくれた。
私は咄嗟に『相談があるんだけど…』と言ってしまった。
するとアノ人は『俺の次の休みいつだっけ?』と言いながら、自分の休みを確認しにいき、私の所に戻ると手に持ったボードで自分の指を隠しながら、さらに小さな声で『9(キュー)』と言ってくれた。
私はその一連の動きだけで胸がイッパイになり、『了解です』しか言えなかった。
人でごった返した事務所では、お互いそれが精一杯の会話だった。
その後、すぐに私は仕事で事務所を出ざるを得なかった。
会話は出来ずとも、アノ人と同じ場所に居たかったけど。
私が用事を済ませふと前を見ると、エスカレーターに乗ろうとするアノ人が見えた。
今日はコレで見納めか…とボーッとアノ人を見てると、アノ人は私に気付き、さり気なくまた両手で『9』を作りながら口パクで(キュー)と言っていた。
うんうんと私は飛び切りの笑顔でうなづいた。
アノ人とようやくサシで話せる。…長かった。
『相談がある』と。
でも、アノ人と会話出来るような時間がある訳もなく、メールした所で返信がくるかも分からない。
きっと、いつものようにその言葉も私の心の中にしまいこんで、日の目を見る事なくシコリになっていくんだと思ってた。
でも、なぜか昨日は違った。
人でごった返す事務所の中、私がアノ人の横を通り過ぎようとした瞬間、誰にも聞こえないような小さな声で『久し振り』って言ってくれた。
私は咄嗟に『相談があるんだけど…』と言ってしまった。
するとアノ人は『俺の次の休みいつだっけ?』と言いながら、自分の休みを確認しにいき、私の所に戻ると手に持ったボードで自分の指を隠しながら、さらに小さな声で『9(キュー)』と言ってくれた。
私はその一連の動きだけで胸がイッパイになり、『了解です』しか言えなかった。
人でごった返した事務所では、お互いそれが精一杯の会話だった。
その後、すぐに私は仕事で事務所を出ざるを得なかった。
会話は出来ずとも、アノ人と同じ場所に居たかったけど。
私が用事を済ませふと前を見ると、エスカレーターに乗ろうとするアノ人が見えた。
今日はコレで見納めか…とボーッとアノ人を見てると、アノ人は私に気付き、さり気なくまた両手で『9』を作りながら口パクで(キュー)と言っていた。
うんうんと私は飛び切りの笑顔でうなづいた。
アノ人とようやくサシで話せる。…長かった。
どうして
一歩間違ってたらどうなってたのか…。
死んでたのかな?
それとも、ちょっとしたケガで済んだ?
はたまた、入院?
私にそんな事件が起きても、アノ人は平然としてた。
『(私の話を聞いて)ビクっとした。』
その一言だけ。
私に詳細を聞くわけでもなく、ましてや心配してる様子もなく、普通に仕事をし、爆笑しながら女の子と盛り上がってた。
アノ人の中には私は居ない。
痛感した。
私は事故に遭った瞬間、アノ人に抱き締めて欲しかったのに。
生きてるうちは自分の想いを好きな相手に伝えきろうと誓ったのに。
伝えないままで人生を終えるのが怖くなったのに。
強がるのに疲れた。
死んでたのかな?
それとも、ちょっとしたケガで済んだ?
はたまた、入院?
私にそんな事件が起きても、アノ人は平然としてた。
『(私の話を聞いて)ビクっとした。』
その一言だけ。
私に詳細を聞くわけでもなく、ましてや心配してる様子もなく、普通に仕事をし、爆笑しながら女の子と盛り上がってた。
アノ人の中には私は居ない。
痛感した。
私は事故に遭った瞬間、アノ人に抱き締めて欲しかったのに。
生きてるうちは自分の想いを好きな相手に伝えきろうと誓ったのに。
伝えないままで人生を終えるのが怖くなったのに。
強がるのに疲れた。