2022年3月4日、英国ポーツマス大学(University of Portsmouth)で行われた研究により、素粒子は生物がDNAを持っているのと同じように、自分自身に関する情報を保持しており、その情報には質量が存在する可能性がある、という見解が発表されました。

 

※ ポーツマス大学では、一つの電子に含まれる情報の質量は、電子本体の質量の2200万分の1である計算としている。

 

研究では、情報は単なる概念ではなく、明確な質量を持った物質であり、固体・気体・液体・プラズマと並んだ第5の物質の形態であるとされています。情報が物質の形態の1種である場合、情報にも力学的な側面や物理的性質が存在することになります。

アインシュタインが提唱した方程式「E =MC2 」は、質量とエネルギーの等価性を示すものです。これは、対消滅と呼ばれる実験の中で確認できるものですが、分かりやすく表現すると、ある物質が破壊される時に生じるエネルギーは、その物質の質量と等価であるとされています。

これに対して、1961年、アメリカIBM社のトーマス・J・ワトソン研究所の物理学者ロルフ・ランダウアー氏は、情報とエネルキーにも等価性があるとする「ランダウアーの原理」を提唱しています。こちらは、情報にもエネルギーがあり、その情報の持つ力学的かつ物理的性質により、物質が生成されるという概念になります。

私たちのこれまでの一般通念では、物質とは自然発生的に生成されるもので、情報とは思考の産物であり、物質の生成や現実空間の物理現象には何ら影響を与えるものではないという感覚があったと思います。

ところが、今回のポーツマス大学の研究発表は、その通念を覆すもので、情報の持つエネルギーが物質を生成し、そこから現実空間が作られてゆくのだと解釈できるものです。これは、精神政界(一般スピリチュアル)では定番のテーマである「引き寄せの法則」「思考は現実化する」等の概念に通じるもので、短絡的な解釈では、人間の思考が情報を生み出し、そこから生じるエネルギーが物質や現実空間を創り出していると考えたくなります。

もちろん、ポーツマス大学の研究では、人間の思考や意識にまでは踏み込んでいません。しかし、量子力学など、これまでに提唱された数々の学説などから判断すると、物質や現実空間の形成には、人間の思考や意識が大きく関わっているのではないかとする根拠が多々みられます。

 

量子力学の解釈

量子力学の分野では、この物理世界は波と粒子で構成されており、波は観測されることで観測者によって粒子として認識され、それが物質化されるという物理現象に至ります。これは、観測者効果と呼ばれており、観測者が人間であれば、人間の思考が物理現象に影響を与えるという解釈に繋がります。
 
私たちが見たり感じたりしている物理世界は、私たちの身体の五感が認識した情報に基づいています。五感が認識した情報とは、色であれば光の波であり、音であれば空気中の波になります。物質の「固い」「柔らかい」についても、人間の五感が認識した情報であり、人間が認識する以前は「波」の状態である考えられます。
 
言い換えれば、物質が存在するためには、人間という観測者が意識を発動し、そのエネルギーが情報として具体化される必要があるということです。更に付け加えると、その情報に応じて、人間の五感が波を検出するまでは、この世の物理世界は、何も存在しないことになります。

 

相対性理論の解釈

先に掲げましたアインシュタインの方程式「E = MC2」が示す相対性理論は、あくまでも物質世界を定義したもので、従来から認識されている「固体・気体・液体・プラズマ」に加えて、ポーツマス大学が発表した「第5の物質の形態=情報」までを説明するものであると考えられます。もちろん、そこには、有機物質としての人間の身体も含まれます。
 
しかし、相対性理論には、人間の意識や思考(霊的な存在を含めて)は、含まれていないと思われます。人間の意識や思考について、未だ、現代科学は明確な見解を示していないため、この点は空論でしかありませんが、おそらく、量子力学が説く「波と粒子」という概念に解答が示されているように思われます。

 

波:人間の意識や思考(霊的な意識体を含む)

粒子:相対性理論が定義する世界

 

量子力学は、アインシュタインと同時代を生きたマックス・プランクによって提唱されており、アインシュタインとマックス・プランクには、多少なりとも交流があったと考えられますが、アインシュタインは最後まで量子力学に対しては批判的な立場を貫いたとされています。
 
アインシュタインもマックス・プランクも、両名とも、人間の意識や思考を含めた真実を知っていたと考えられますが、おそらく、人間的な事情により、それを公開することができなかったのでしょう。

 

アインシュタインと量子力学の父:マックス・プランク(アインシュタインの左隣)

 

現代文明が人間の意識や思考の科学的解釈を秘匿する理由

過去の記事でも記載しましたが、人間の思考が情報を生み出し、そこから生じるエネルギーが物質や現実空間を創り出しているということに関する科学的解釈については、おそらく、意図的に隠されています。

 

 

現在、私たちの社会基盤となっている資本主義経済は、人々の意識や感情を一定方向へ向けさせることによって需要が生み出され、日常のリソースが消費に集中し、貨幣の流通が循環しています。

そのためには、人々が「働いて貨幣を獲得する」という意識状態が大前提で、「貨幣の獲得」が無ければ何もできないという社会環境を維持しなければなりません。しかし、人間の「思考や意識」が「物質や現実空間」を創り出しているという真実が一般化してしまうと、「貨幣の獲得」以外の選択肢を人々が見つけてしまう可能性が生じてしまいます。

ここ数年、物価の高騰が続いており、貨幣の価値は確実に低下しています。ここでは、詳細は記載しませんが、今の社会環境は選択の余地が多々存在するデフレ環境下で、物価が上昇するという特殊な状況にあります。

選択の余地が多々ある中で、やがて世の中は「貨幣を使わないで需要を満たす」方向へ舵を切ります。安価な製品を大量に生産し、大量に消費させることで規模を拡大させてきた資本主義社会は、既に薄氷の基盤に乗せられたと言ってよいでしょう。

今回、「情報の真実」というテーマで記事を起こしました。単に科学的な解釈が提示されるに留まらず、そのインパクトは、複雑な要素を含んでいます。

アインシュタインやマックス・プランクが人間の意識や思考の真実に踏み込もうとしなかった「人間的な事情」という背景には、おそらく、資本主義社会を動かすアンダーグラウンドな者たちの存在があったのだろうと考えられます。

また、この記事は、4月28日に書き起こしたものに、5月15日に加筆修正しました。