Desolation Row | AAAのブログ

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ボブ・ディラン、ベスト・ソングのひとつ「廃墟の街 デソレーション・ロウ」

11分を超える長い曲ですが、誰しもが口にする「何回聴いても飽きない、知れば知るほど何回でも聴きたくなる」そう言わせる65年に書かれた名曲です。

そして、僕自身も今でも何回でも聴いてしまいます。
この曲を聴いてしまったら、ディランを好きにならずにはいられないですよ。


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絞首刑の絵ハガキが売られている
パスポートが茶色に塗りたくられている
美容院は水夫たちであふれ
町にはサーカスの到来
めくらのお偉いさんがやって来て
骨抜きにされてしまった
片手を綱渡りのロープに縛られて
もう一方の手はズボンの中
そして鎮圧部隊は所在なく
どこかに行かねばと落ち着きがない
それらを私とレディが眺めている 今夜
荒廃通りから

シンデレラはのんき者らしい
“人を知るには人が要るわ”と微笑み
両手をうしろのポケットに突っ込んで
ベティ・デイビスを気取っている
そこへロミオがやって来て
“きみはぼくのものだ、絶対に”と嘆いていると
誰かが言う“あんはやばいとこにいるよ、旦那
ズラかったほうがいい”
そして救急車が走り去った後で
残った物音はといえば
シンデレラが荒廃通りを
掃きのけている音だけ

いまや月もすっかり隠れ
星も消え去ろうとしている
女占い師でさえ
持ち物をしまい始めた
ノートルダムのせむし男と
カインとアベル以外はみんな
ナニの最中か
ひと雨来ないかと待っているところ
そして善きサマリア人は着飾って
ショウの支度に余念がない
今夜 荒廃通りでの
カーニバルに行くのだ

ところでオフィーリアは窓の下にいて
私はとても心配なのだが
彼女は22歳の誕生日にして
すでにオールド・ミスなのだ
彼女にとって 死はとてもロマンチックなもの
鉄のベストを着こみ
信仰が彼女の職業で
生気のなさが彼女の罪
ノアの崇高なる虹に (*注記1)
彼女の視線はすっかり釘付けなのだが
そのくせ 荒廃通りを
覗き見たりもしている

トランクに想い出をつめこみ
ロビン・フッドに仮装したアインシュタインが
嫉妬深い修道士の友人を連れて
この道を一時間前に通ったばかり
かれが煙草をねだるさまは
実に見事なほどの醜悪さで
下水管の匂いを嗅ぎまわり
アルファベットを暗唱しながら行ってしまった
いまやあんたは かれを見ようとも思わない
だがずっと昔にかれは
荒廃通りで電気バイオリンを弾いていたことで
有名だったのだ

ドクター・フィルスは かれの世界を
革製のコップにとっておいているのだが
かれの無性患者たちはみな
そいつを爆発させちまおうと企んでいる
看護婦はといえば 町ではちょっとしたワルで
青酸カリの穴ぼこを管理し
彼女のしまっているカードにはまた
“あなたの魂に憐れみを”と書いてある
連中はそろって ちんけな口笛を吹いていて
荒廃通りから
うんと頭を突きだしてみれば
そいつが聴ける

通りの向こう側では カーテンを釘付けにして
祭の準備の真最中
幽霊のオペラや
僧侶の完璧な彫像
さらに図々しい気分にさせようと
カサノバが無理矢理食べさせられている (*注記2)
言葉の毒がまわったあとで
かれはきっと自らの尊大さのために殺されるだろう
幽霊が骨と皮ばかりの少女たちに
“分からないなら、ここから出ておいき”と叫んでいる
カサノバは荒廃通りへ行ったがために
処罰されたのだ

さて 真夜中に諜報部員と
超人的な乗組員たちの全員が現れて
かれらより多くを知っている者を
一人残らず狩り集め
工場へ連れていって
心臓マヒの機械を
肩から装着する
そして燈油が 城から
保険屋によって運ばれ
そいつは荒廃通りから
誰も逃げ出す者がいないかどうか
調べに行く

ネロの海神に讃えあれ (*注記3)
タイタニック号が夜明けに出航し
だれもが
“お前はどっち側なのか?”と叫んでいる
そしてエズラ・パウンドとT. S. エリオットが
指令塔の中で格闘しているのを
カリプソ歌手がせせら笑い
愛らしい人魚たちが泳ぎ回っている
海の見える窓ガラスの合間で
漁師たちは花束を握ったまま
だれも荒廃通りのことなど
これっぽっちも考えていない

きみの手紙は 昨日たしかに受け取った
(ドアの取っ手が壊れたそのときに)
いかがお過ごしですか とは
何かの冗談なのか
きみが書いていた連中なら
知っているさ とんだ時代遅れの連中だ
奴らの面(ツラ)を作り直して
まったく別の名前をつけてやらなきゃ
とにかく いまはあまりよく読めないから
手紙はもうけっして送らないでくれ
荒廃通りからの
便り以外は

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Desolation Row Bob Dylan

65年「追憶のハイウェイ61」のラスト・ナンバー。
当時、こんな長い曲を書くのはディランだけです。