まあ、そんなわけで、前回の続きで、いよいよ、種明かしである。
今回のサービスリリースでは、細かい改良も多く、"DisplayCurveKnotInfomation"コマンドもその一つである。
このように直接テキストドットでノットの値をそのノットの場所に表示する仕様になった。
ライノセラスの「キンクを追加」コマンドと、エヴァンスの"EvanceInsertCurveKink"コマンドで、同じ曲線にそれぞれキンクを下の位置に挿入した状態で、ノットの数値を表示させたものである。
一番下のテキストドットの数値が二つの曲線でビミョーに違うのは、キンクをフリーハンドで入れたからである。(笑)
キンクを入れるのに、キンクではなくノットを重ねて入れるという方法もあるが、ご想像のとおりピッタリ同じところに入れるのは、基本的に不可能である。
どちらもキンクを入れたところのテキストドットが重なっている。
…というのも当然でキンクというのは、ノットをその曲線の次数の数(今回の例では、「3」である)だけ重ねたものであるからである。
でいよいよ、なぜ、ライノの「キンクを追加」コマンドでキンクを入れると線がそこで切れてしまうのに、エヴァンスの"EvanceInsertCurveKink"コマンドではそうならないかということだが、
ジャ~ン!(笑)
重なっているテキストドットをずらして見てみると、…
お分かりだろうか、そういうわけである。
しかも、念のいったことに、このノットの数値をどれだけずらすか(ノットの偏差)、どの程度既存のノット位置に近づいたときに、既存のノットにアタッチするかという数値設定を、"EvanceInsertCurveKink"コマンド実行中にインタラクティブに、変更できるのである。
サーフェスに、同じライノの「キンクを追加」コマンドでキンクを入れた場合は、また面白い現象が起きるのだが、話がさらにややこしくなるので、ここでは触れないでおく。(笑)
興味のある人は、キンクを入れたサーフェスのエッジ線やアイソパラム線をを"DisplayCurveKnotInfomation"で解析してみると興味深い事実を知ることができるだろう。
…で、そもそもだが、ここで云っている数値というのは、いったい何の数値なのか、お分かりだろうか。
実は、ライノにはちゃんと"Domain"というコマンドが入っている。
かなりライノを使い込んでいるオペレーターさんでも、使っている人は、ほとんどいないだろうけど。…(笑)
まあ、ただコマンドラインの上に数字を表示するだけの地味なコマンドだが。…
曲線や、サーフェスは実は、その領域を示すドメインという数字のインターバルを持っている。
その数値のことをここでは云っているわけである。
まあ、難しいことはわからなくても適当に使えればいいと考えている人もいるだろうが、もともとCADシステムというのは、そんなに単純なものではない。(ちなみにポリゴン系のは、あれはCGモデラーというべきものであってCADシステムとは言いにくい。きちんと寸法の出るものでないと、CADシステムとは呼べないだろう。)
初心者でも誰でも簡単に使えます。…的に作ってあるCADシステムでも、CADである以上ベーシックなところは同じなので、それはただ、鋭い爪を見えないように隠しているだけのことである。
結局のところ、よく理解していないと、トラブルが起きたときに回避できず、本当の意味では使いこなせないのが、CADシステムなんである。
わかったかな。…ジャンジャン(笑)
次回に続く。…
***お詫びとお知らせ***
8月1日リリースのバージョンでは、その後のテストにより、"DisplayCurveKnotInfomation"コマンドが、ドメイン外の実際には存在しないノットの情報を余分に表示してしまうというバグが認められました。
"DisplayCurveKnotInfomation"コマンドは、今回の記事のとおり、ただノットの位置と数値を表示するだけのコマンドで、それもほぼ正しくは表示され、ドメイン外の実際には存在しないノットを幾つか余分に表示してしまうという細かいバグではありますが、気になる方は、ダウンロードサイトに修正したインストール・プログラムがあげてありますので、インストールしなおしていただけると正確に作動するようになります。
すでにアップデートされたプログラムをインストールされたユーザーの皆様には、余分なお手数をおかけして申し訳ありません。
まだサーピースリリースをインストールされていない場合は、現在ダウンロードサイトにある最新のインストール・プログラムをご利用いただくようにお願い申し上げます。