「ただいまあ~。」

 玄関のドアをそっと開けて中に向かって声をかけると、声を聞きつけてすぐに娘たちが駆けつけてきた。我が家には、当時中2と小6の娘二人がいた。

 「お帰りなさい、お父さん。小鳥さん、連れてきた?」

二人は僕の手許の小箱に視線をくぎ付けにして、目を輝かせながら一斉に口を揃えて訊ねた。僕は笑いながら、両手で抱えていた小箱を二人の前に差し出しながら言った。

 「はい、ここにいるよ。」

 「うわあっ!やっぱりこの中にいるの?見せてっ、見ていいっ!?」

と上の娘が叫ぶと、

 「お姉ちゃん、早くタオルを取って、早く!」

と下の娘がもどかし気に急かした。

 僕がそれではと代わりにタオルを取り払ってやると、二人は箱に顔を付けんがばかりに近づけて中を覗き込んだ。そして箱の片隅にインコの赤ちゃんの姿を認めると

 「うわあっ、いた!」

 「ああっ、かわいい!!」

と歓声を上げ、

 「ねえ、出して見ていい!?」

と言った。食事の用意をしていたワイフも途中で切り上げて来て、そんな娘たちの様子をにこにこしながら見守った。